谷崎潤一郎全集 - 第七巻
谷崎潤一郎全集 - 第七巻 / 感想・レビュー
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「女人神聖」、「美食倶楽部」、「恐怖時代」、「天鵞絨の夢」と谷崎らしい作品が収められているが、とりわけ「恐怖時代」は登場人物のほとんどが死んでしまうという凄まじい作品であり、どんな形で上演されたのであろうか。さぞかし凄まじい舞台になったことだろう。
2019/07/24
MatsumotoShuji
三十代半ばの谷崎の乗りに乗っている頃の作品集。どれも残酷で怖くて、美しい。中でも、一人の乞食が濁った川面を見つめるだけの話「或る漂泊者の俤(おもかげ)」の美しいこと! 一方ショックなこともあって、「女人神聖」の「ことし五十いくつになる老人」という文章。ひえー、老人なんだって。
2018/03/07
Hisashi Tokunaga
「途上」より「・・・そんな勧告あったので、夫は細君に其う云ひました、『お前は始終患ってばかり居るのだから、一と月や二た月転地するよりもいつそ家中でもつと空気のいゝ處へ引越すことにしよう。さうかと云つて、あまり遠くへ越す譯にも行かないから、大森邊へ家を持つたらどうだらう。此処なら海も近いし、己が会社へ通ふにも都合がいゝから。』此の意見に細君は直ぐ賛成しました。あなたは御存知かどうか知りませんが、大森は大そう飲み水の悪い土地だそうですな、さうして其のせゐか伝染病が絶えないさうですな、殊にチブスが。・・」
2024/10/10
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