村でいちばんの首吊りの木 (C・Novels 17-14)
村でいちばんの首吊りの木 (C・Novels 17-14) / 感想・レビュー
ヨコケイ
三作入り。アンソロジーにも録られた表題作は限界集落の母親と都内で受験準備中の次男との往復書簡で構成。殺人容疑をかけられた長男についてやり取りする中で謎が解かれる。何てことない話だが作り込まれてる。「街で…」は外見上幸せな家族の内実が独白と日記で綴られる。不穏な犯罪計画の顛末は。赤川次郎みがある。「島で…」波や家など〈無生物の語り手〉という往年の実験小説みたいな叙述で人死にが描かれる。個人的には一番好き。どれも「いかに書くか」に意を注いでいる。人や社会を見る目のシニカさの淵源が戦争体験にあるのが後書で判る。
2022/10/28
チタカアオイ
【図書館】
2024/06/05
縛の場
無難な印象の中篇集。表題作はなかなかのものだが、構図を完全に見抜くには情報が後出しなのが残念。二作目「街でいちばん幸福な家族」は、古臭さが漂うもののなかなかリアリティがありえぐい。いずれの中篇も人間像は興味深いが、飛び抜けているとは思わなかった。
2012/08/30
ゆずこ*
★★
2024/02/02
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