平成講釈安倍晴明伝 (C・Novels BIBLIOTHEQUE 78-1)
平成講釈安倍晴明伝 (C・Novels BIBLIOTHEQUE 78-1) / 感想・レビュー
ツカモトカネユキ
2001年発行。1996年から2年にわたり中央公論で連載された一風変わった講釈本。本作者の有名な「陰陽師」シリーズとは違い、明治大正期に記された講釈本より作者が味付けを加えて軽妙なタッチで物語が繰り広げられます。軽妙な語り口から始まる展開は、まさに講談然としており旭堂小南陵の世界を味わいたくなります。こちらが元祖に近いかもしれませんが「陰陽師」シリーズのスピンオフのような存在に感じます。未読の「陰陽師」本シリーズに手を出すのは尻込みしますが、脇道から本作者の安倍晴明を覗いた感じがしました。
2023/06/26
霹靂火 雷公
講談や落語のような、「声に出した時のテンポ」を重視した軽妙な語り口と、著者の実況ネタを織り交ぜた表現に引き込まれ、どんどん読み進めました。ラヂヲを聴いているような感覚で持ち運んで読みました。 しかし、桃川版でいうところの1/5程度という中途半端なヴォリュームは減点。折角「九尾の狐」まで登場しているのに、呪詛合戦に終始して式神が活躍できないのもウーン。。。
2012/06/25
みとん
夢枕さんの原稿用紙への独白のような、大教室での講義を聞いているような…夢枕節が入っているので小説ではない感じ。桃川版と玉田版の速記本をネタに、夢枕版「晴明伝」を作りあげた…らしいです。晴明の先祖とされる安倍仲麿(天の原ふりさけみれば春日なる〜の人)と吉備真備の唐で色々あった話から、晴明の幼少期(幼名・尾花丸)に蘆屋道満と対決した話まで。晴明が狐(葛葉)の子じゃないなんて!!絶妙なアレンジで『陰陽師シリーズ』とはまた全然別物。続きも楽しみです。あ…でも『陰陽師シリーズ』もまた読みたくなっちゃったなぁ(笑)
2012/03/17
おかめ
名調子で進んでいく、これまでと趣を異にした晴明伝。晴明の母は狐かと思っていたら、違うんですね。成程、兄弟がいると心強くていいですな。それにしても晴明は美形でお願いしたい。逆立つ赤毛までは許容範囲として、赤鬼のような形相はちょっと。元に戻して…あ、こっちが本当の姿か。また美童にしていただけますように。
2015/07/21
mercury
冒険活劇かな…。晴明の話より前半の安倍仲麻呂と吉備真備の話の方が面白かった。各章の楽屋落ちみたいな枕は面白くない。読むのではなく聞くのだったらまだマシだったかも。
2011/02/09
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