遠巷説百物語 (C★NOVELS 73-9)
遠巷説百物語 (C★NOVELS 73-9) / 感想・レビュー
アキ・ラメーテ@家捨亭半為飯
終わったと思っていた巷説百物語シリーズがまた読めてうれしい。今回の舞台は遠野。小股くぐりの又市の仲間、長耳の仲蔵と六道屋の柳次が仕掛ける。語り手は宇夫方祥五郎が山岡百介の立ち位置。「好日好書」の『遠巷説百物語』京極夏彦インタビュー → https://book.asahi.com/article/14396344
2022/11/01
中島直人
ページ数の割に冗長な感じがしない。民譚に触れながら、多様な人達の様々な人間模様や出来事が流れていると、最後に全ての伏線が回収されて、すっきりさせてくれる。これだけの文量を整然と構築出来る著者の技量に圧倒されます。
2022/10/11
花嵐
★★★★☆ 巷説百物語シリーズ。今作の舞台は遠野。最後の話ではあの男も登場している。いつものように嘘と実が入り乱れて最後にはどの話もちゃんと決着がつくわけだが、それにしても相変わらずこのシリーズはどれも雰囲気がたまらなく良い。何とも言えない物悲しさと共に一種のすっきり感もあるというか。この読後感を味わいたくてこのシリーズを読んでいると言っても過言ではない。「了巷説百物語」も楽しみだなぁ。
2022/10/06
らくだ
今回の百物語は妖怪の本場遠野が舞台です。難解な感じの読み方に最初は戸惑いますがびっくりするぐらいシンプルな構成ですごく読み易いです。登場人物達もまじめで何となく好感がもてます。
2022/09/01
たいき
とりあえず今世に出ているこのシリーズの最新刊。最初に読んだ後巷説の感想が去年の6月なので、半年以上百物語ワールドにどっぷり浸かっていたことになる。こんなにどっぷりいったのは北方水滸伝以来。面白かった。今回は江戸や上方ではなく舞台はいきなり遠野に移り、お馴染みのメンバーや新しい主人公が活躍する。小さい頃に一回行ったきりの遠野を想像しながら全ての譚噺咄話を最後まで面白く読みきれた。特に最後の宇夫方と乙蔵の友情は心を打つ。それぞれが独立した話ながら、しっかりと巻のクライマックスに向けて高めていく構成がさすが。
2024/01/25
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