人文知2 死者との対話
人文知2 死者との対話 / 感想・レビュー
杜のカラス
最初の内、専門の学者さんがわかりやすく難しいことを議論しているのかと思った。難しいテーマではあるけど、死は誰にでも、いずれ来るものである。理解はしやすい。単に論理や学問だけではない、たいへん解り易く説明している。ヨーロッパの中世以降か、キリスト教や古代のオリエントなども含めて人類の死へ立ち向かい方、いすれは死なねばならぬ身としての歴史、墓碑銘や埋葬、遺体の保管などにも言及、死を悼むのは、人類でも今の現人類からだそうだ。早々方法が激減する減退、死への対応の在り方を考えさせられた。いい本、解り易い内容だった
2024/04/04
つきもぐら
「たとえ自己の痕跡であっても、それは忘却のかなたにあり、たまたま出会う機会がなければ、ついにその存在に気がつくことはない。たとえ他者の痕跡であっても、テクストに刻まれた痕跡にふれることによって、その深い意味がとつぜんに閃くことがある。」 書き方を構築しようとすると、どうしても自分以外の人々の読み方を知らなければならない。人は言葉以外にも様々なものを「読んで」生活しているが、突き詰めていくと「死者が残した痕跡」に行き付く。今はなき人々が残したメッセージを解読する東大教授陣の論文集。第二章、第九章が熱い。
2017/02/19
ばるび
哲学的な話はほぼなく、実証主義的な研究成果発表会みたいな。たのしい。
2015/03/08
okhiro
死者と我々の関係に照明を当て、その関係が文化の基盤をなすことを人文知を介し明らかにし、死者との対話をいかに継承していくのかという9つの切り口で章立てされる。面白かったのは3章、4章、2章のあたり。ネアンデルタール人や現生人類の死生観、キリスト教における典礼用ストローの役割変遷は初めて知る内容で興味をかき立てられる。学者の方々のそれぞれの研究分野が垣間見れる知的な書物である。
2024/03/30
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