日本美術の発見者たち
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日本美術の発見者たち / 感想・レビュー
№9
本書は2001年秋に渋谷区立松濤美術館での「眼の革命 発見された日本美術」展図録中の論考の加筆版らしい。はじめに著者は“今日我々が享受する日本美術の豊かな表情のいくつかは、先人の「眼の革命」によって獲得されたものなのである。もしそれらの発見がなかったら、われわれの美術史は中国や西洋の後を追うことに終始したかなり寂しいものであったかもしれない。以下にその発見史をたどりながら、発見者たちの眼の革命を検証してみたい”と説く。眼の革命、か。確かに若冲や蕭白、円空・木喰・縄文などの美術的価値の発見は眼の革命ですね。
2016/04/15
さっちも
日本人の美意識ならびに美術に通底する何かを手取り早く知るのに、優れた本ではないでしょうか。私は発見に次ぐ発見、腹落ちに次ぐ腹落ちで大いに心が沸き立ちました。例えば、アジアで金銀朱色に飾られた寺社を見たり、欧米で幾何学やシンメトリーな見事な庭園をみても圧倒される事はあっても美しさとは違うような印象を受けるのではないでしょうか。北川景子が奥さんになったらウキウキは薄れて、3日目くらいで鬱陶しいような感情を抱く予感がするといったらいいか。逸れてきてしまったが、完璧や人工的、精緻など他の文化圏では普遍と捉えられて
2020/06/07
ひろし
日本美術の本流から外れ、忘れ去られた時期のある美術品についての話。といっても、専門家によると本流とは仏画や絵巻物、水墨画などだそうなので、今の自分にはこの本に取り上げられたものの方が取っつきやすい。岡本太郎が縄文土器の美を発見したとは意外だった。芸術は爆発だ、と言ってるだけの人ではないのか。
2017/01/13
K.iz
明治以降現代までの美術史の領域の拡大に着目した書籍。メタ美術史すなわち「美術史」史になっていますが、ひょっとして最近の美術史は美術史史になっている傾向があるんじゃないだろうか(知らないですが)?前半は全く論文らしい論文だと思っていたら展覧会の解説が大元だと知って納得。辻氏の業績を客観的に知るうえで参考になりました。
2012/04/08
スエ
白隠・仙がいの次が赤瀬川原平でずいぶん話が飛ぶなぁと思ったら展覧会の図録がベースになってるんですね。納得。辻・山下ファンは読んでおいて損はないかと。
2016/07/19
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