KADOKAWA Group

Facebook X(旧Twitter) LINE はてブ Instagram Pinterest

蜜蜂

蜜蜂

蜜蜂

作家
マヤ・ルンデ
池田真紀子
出版社
NHK出版
発売日
2018-06-26
ISBN
9784140056967
amazonで購入する Kindle版を購入する

蜜蜂 / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

starbro

書店で気になって、図書館に予約して読みました。蜜蜂を巡る過去・現在・未来の家族の物語、著者独特の不思議な世界観です。蜜蜂が死滅する世界は、人間にとってもディストピアなんでしょうね。人間はどこまで自然を破壊したら、気がすむのでしょうか?

2018/08/17

藤月はな(灯れ松明の火)

蜜蜂が繋ぐ家族と未来の形。いつから私たちは自然の恩恵に対し、必要以上の見返りと敬意の無さを持ってしまったのだろうか。蜜蜂にも休憩が必要な時は来ているのだ。同時にどの家族も「自分は家族のためを想って頑張っているんだ!」と思っていてもそれは自分に都合の良い家族像を押し付けたいだけなのが読んでいて居たたまれなかった。特にウィリアムについては(当時の思想もあるのだろうが)自己中心的で全ての責任を女性に押し付ける性格には何度、イライラさせられたか・・・。特に同業者や自然への上から目線な手紙は本当に腹が立つ。

2018/09/09

南雲吾朗

19世紀、21世紀初頭と21世紀末の3つの時代を行き来しつつ物語は進んでいく。19世紀、21世紀初頭は養蜂に関わる人、21世紀末は蜜蜂の代わりに受粉を行う労働者。蜜蜂を軸にしているが、これは各々の時代における家族の物語。栄光と挫折、家族の支え。時代に関係なく、家族というものは苦悩しつつも寄り添い反発しあい掛け替えの無いモノなのだと改めて感じた。3つの時代のそれぞれが、最後には微妙に繋がっていく。一つ一つの章が丁度良い長さで、テンポよく読んでいける。途中で本を中断することが非常に困難な良い作品に出合えた。

2018/09/15

白玉あずき

「ハチはなぜ大量死したのか(2009年刊)」では、記憶によるとCCDの原因は様々推測されるが未だ不明との事だった。もし植物を受粉させる昆虫類がいなければ、人類他地球上の生物はどうなるのだろうと当時ドキドキしたものだ。現在はストレス(免疫抑制)+農薬+ウイルスの複合的な状況が原因とする仮説が有力らしい。(関連文献未読)ストレスには、無理な巣の移動、気候変動、モノカルチャー、遺伝子操作、市場的人間による自然の改変が全てかかわっているのではないか。この「自業自得の人類の危機」をテーマにした本なら

2018/11/03

Tui

蜜蜂をめぐる3つの舞台。イギリス、19世紀の半ば。新しい巣箱の開発に希望を託す落ちぶれた種苗商とその娘。アメリカ、21世紀のはじめ。代々養蜂を営む家族に忍びよるCCD(蜂群崩壊症候群)。中国、21世紀の終わり。蜜蜂の絶滅に端を発した食糧不足と世界的な紛争により文明は滅びようとしている。設定も状況もまったく異なる3つの大陸、時代そして家族が、美しく繋がりを見せてゆく。ディストピア小説なのに、温かさと希望を感じられる読後感がなんとも新鮮。1月にして早くも今年のマイベスト候補だ。

2019/01/13

感想・レビューをもっと見る