とりあえずお湯わかせ
とりあえずお湯わかせ / 感想・レビュー
starbro
柚木 麻子は、新作をコンスタントに読んでいる作家です。コロナ禍のお仕事&子育てエッセイ、母親になって以前より丸くなったかも知れません。 https://www.nhk-book.co.jp/detail/000000057292022.html
2022/11/05
モルク
四年間に渡るエッセイ集。「とりあえずお湯わかせ」の題名は桐島洋子さんの「聡明な女は料理がうまい」からとのこと。若い頃読んだ。すっかり忘れていたけど確かに読んだ。私も起きると先ずお湯を沸かす。とりあえずコーヒーを一杯、あとはポットに入れておくとなにかと重宝。本作品は幼子との子育て真っ最中コロナが蔓延。元々肺に持病がある柚木さんは普通の人以上に気をつけねばならず、保育園にも預けられないのにさらに仕事が…という生活、その大変さは凄まじい。笑えるもの、考えさせられるもの、いろいろあって楽しかった。
2023/11/12
Karl Heintz Schneider
柚木麻子さんにしては珍しいエッセイ。恐らく他にはないと思う。4年前から雑誌に連載していたコラムをまとめた物。連載が始まった時はちょうどお子さんを出産したばかり。子育てとコロナに振り回された苦労話がメインとなっている。「何も手につかない時はお湯を沸かせ。そうすればお茶を飲むなり野菜を茹でて一品作るなり最低でも部屋を加湿できる。停滞を脱出するとっかかりになる。著者の母上がいつも口にしていたこの言葉がそのまま本のタイトルになっている。どんな時でもお湯さえ沸かせばきっとあなたも大丈夫。読む人にそう語りかけてくる。
2022/11/26
mukimi
コロナ禍の育児と仕事に葛藤する等身大エッセイ。活字を読む余裕の無かった産後2週間が過ぎやっとのろのろ読み始めたのが本書で大正解。疲労と閉塞感と不安を共有し伴走してくれる、戦う(戦わぬ日もあってよし)女性のための書。映画や書籍や友人や自己の内面など凡ゆる事柄へのアンテナ感度が抜群。なぜ女ばかりが男を赦さねばならんのだ、国民ばかりが政策を許容せねばならんのだとアンガーマネジメントの本を叩き捨てるくだり、両親が離婚した日の号泣バイトのエピソード、母が好きだから老いる自分も苦じゃないとの言葉に心を鷲掴みにされた。
2024/02/25
ネギっ子gen
2018年から2022年まで、NHK番組「きょうの料理ビギナーズ」のテキストにて連載されたエッセイを中心に、初めての育児とコロナ禍の中で直面したことや日々思ったことなどが綴られた、初エッセイ集。タイトルは著者の母親の口癖から。<何も手につかない時はお湯を沸かせ、そうすればお茶を飲むなり、野菜を茹でて1品つくるなり、最低でも部屋を加湿できる、いわば停滞を脱するとっかかりを最もハードルの低いところでつかめ、という家訓のようなものだ>と。元ネタは、桐島洋子『聡明な女は料理がうまい』ですか。懐かしい名前と書名。⇒
2023/06/13
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