日記の練習
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日記の練習 / 感想・レビュー
tenori
冒頭『日記は日々の記録ではない。日々を記録しようと思った自分の記録だ』と煽り、あとがきで『仕事で書く日記』と言い放つ。この落差というか感性が好き。どこか斜に構えながら日常と自分の器を受け止めて分析しているところ。構成は日記調になっているものの「丸ごとくどうれいん」のエッセイである。『盛岡のためにも岩手のためにも働いてたまるかと思う』上等である。その気概を持ったまま全力で彼女は故郷を愛するだろう。だからこそ私は彼女に全国区になってほしい。ちなみに私はこの本を読書好きな『推し』にプレゼントしたのだった。
2024/11/11
紅咲文庫
こういう文章に、選ばれたことば達に会えるから本を読むことがほんとうに好きだなと思う。サイゼリヤでミドリさんが心底嬉しそうに目を丸くした瞬間。文章で読んでいるのに、もうまるで目撃したような深度で記憶に残った。書きたいことがありすぎてぱんぱんで苦しそうなれいんさんだけど、それをこうやって磨きあげて見せてもらえるってすごい。■ うまくいきすぎてあっという間だったりうまくいかなさすぎてあっという間だったりして押し流される日々の中で、杭を打つようにせめて書くから日記は味わい深い(p9)
2024/12/12
あじ
「日記の練習」には無記入のパス、パス、パスの連打がたまにある。1行の日もあればページを跨ぐ日もある。れいんさんは綴った“なんでも書くと思うなよ”作家にも秘密の暴露を仕掛けられる事を忘れていましたね、私。蛇足ではありますが、川上弘美さんの「東京日記」と一緒に並べたいかもです。
2024/11/03
窓(。-_-。)
★★★☆☆ 気になっていた初めての作家さん。 日記系、エッセイ系は人の日常を覗いてる感じで面白い。 なかなか続かない日記もこんな風に書ければ続けられるし楽しそう。 読むと日記が苦手な人でも書きたくなると思います。 そんな本でした。
2024/10/31
しん
何となくタイトルと本の装丁に惹かれて買って読んでみた。くどうれいんさんという作家は知らなくて、初読みでした。日記ものはどちらかと言うと苦手。作家さんを良く知っているなら別だけど、知らない方だったらなかなか入りにくい。面白いと思える日記もあったし、著者の感性が垣間見える部分もあり、良かったと思う。日記だからそういうものだけど、細切れなせいか、読みにくさもあった。毎月の最後の頁に「日記の本番」というまとめ的な文章があったが、「日記の練習」だけで良かったのではないかと思った。
2024/10/29
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