村上春樹「かえるくん、東京を救う」英訳完全読解
村上春樹「かえるくん、東京を救う」英訳完全読解 / 感想・レビュー
キジネコ
一つの地震という事件が起こした振幅、余震が徐々に消えてゆく。私達が手にする平衡は地震の前と後で同じ釣合を示していない。贄を求める怒り、心象と乖離する現実、格闘し続ける作家を中心に拡張し続ける同心円、その中心の真空は世界の色を奪い、音を奪い孤独を抱かせて置き去りにする。短い物語を斯様に編んだ この本が好きです。話の何処に読者は己を投影するのか、私の場合は片桐であり、怒りを抱えるミミズくんでもあるのです。作家と私達の前からかえるくんは消えました。来るべき日々を私たちは かえるくんなしに戦わなければなりません。
2017/05/30
momogaga
積ん読解消。2014年購入。村上春樹を日本語と英語で読み直す。いい読み方ですね。かえるくん、コロナウイルスから東京を救って(^0^)。超流し読み。
2020/04/07
壱萬参仟縁
これは、と思う部分の音読を試みた。本当に東京を救えるのは誰なのか? と思うが、それは、日本を救うために地域創生を果たすことではないかと思う。1995年の阪神淡路大震災、地下鉄サリン事件もあった。次は2020年。かえるくん、どうすれば日本を救えるのか? そんな気もする。
2015/09/01
tera。
NHKのラジオ番組「英語で読む村上春樹」より書籍化。『僕のことはかえるくんと呼んで下さい』壮大且つ無茶苦茶なストーリー展開に引き込まれて一気に読んでしまった。かえるくんと片桐が戦う相手が何故彼なのか?地震とは全く関係ない生き物じゃないか。かえるくんの言う「目に見えるものが本当のものとはかぎらない」という言葉が話の軸なのかな。しかし構成が参考書のようで受験勉強を思い出したよ。
2014/11/10
楓
英語学習のため再読。使える表現がいくつか見つけられたので読んだ甲斐があった。内容的には、かえるくんの "What you see with your eyes is not necessarily real. My enemy is among other things, the me inside me."目で見えているものが本当のものとは限りません。ぼくの敵はぼく自身の中のぼくでもあります。という言葉が今回はやけに響いた。
2019/06/23
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