自由への長い道(上) ネルソン・マンデラ自伝
自由への長い道(上) ネルソン・マンデラ自伝 / 感想・レビュー
megumiahuru
マンデラ氏逝去の報を受け読了。テンブ王族の子として生まれ、ミッションスクールで教育を受け、弁護士となり、やがて反アパルトヘイト運動に身を投じてゆく…。まさに生きたアフリカ史。その姿勢は「誠実」の一言に尽きる。皆が納得するまでとことん耳を傾ける族長さながらに、幅広い人々を束ねてゆくマンデラ氏。この本では、無理やり結婚させられそうになって家出をしたことや、一目惚れ結婚の顛末など人間臭いエピソードも。小粒な世襲政治家ばかり見慣れた目には、このような偉大な人を指導者として得た南アの人民が羨ましくすらある。
2013/12/19
Miyoshi Hirotaka
英国は植民地化した地域で人種や民族問題の火種を残し、現代に至るまで燻らせてきた。だが、英語と教育システムは未来への礎になった。インドや南アのような多民族、多部族、多言語の複雑な社会を統治するには高等教育と共通語が必要。ガンジーとマンデラに共通するのは英語教育と法律リテラシー。皮肉なことに英国が作り上げた近代システムの反作用によりインドは独立、アパルトヘイトは崩壊した。マンデラの時代には黒人の人権運動は階級闘争を掲げた共産主義と親和性が高いと見做され、国家反逆として警戒され、公民権運動は非合法化していった。
2023/08/07
吟遊
上質な新聞記事を400ページ続けざまに読むような心地がした。描かれているのは、過去の出来事とはいえ、いまも似た形で似たことが世界各地で起こっている、と思いながら読んでいた。
2019/09/16
☆エンジェルよじ☆
由緒ある家系に生まれ弁護士の資格を得たマンデラさんが仲間と共にアパルトヘイトを推し進める政府に人権と自由を取り戻す道程。政府はよく思いつくねーと呆れるくらいの政策で追い詰めていく。まだまだ長く続く自由への道。下巻もガンバッテ読もう。。
2015/11/04
Francis
アパルトヘイト撤廃のために闘い、アフリカ系としては初めて南アフリカ共和国大統領を務めたネルソン・マンデラさんの自伝。10数年ぶりの再読。内容は題名の通りで、王族として生まれ、弁護士を経てアフリカ民族会議に身を投じ、武装闘争に入るまでを書く。あの柔和な顔からは想像もできない苦難の歩み。反アパルトヘイトの為に闘った同志たちや協力した無名の人たち、アフリカ諸国独立の指導者たちの描写も良かった。
2014/08/19
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