かたち誕生: 図像のコスモロジー 万物照応劇場
かたち誕生: 図像のコスモロジー 万物照応劇場 / 感想・レビュー
Koki Miyachi
「かた」から「いのち」が生まれるという信仰にも似た考え。日本、中国、インドなどアジアを中心とする図像の論考。ひとつひとつの解説は、確かにそうだなと思ったり、本当にそうなのかな?と思ったり、やや根拠薄弱とも思える怪しさがある。それでも断言して論をすすめるあたり筆者のキャラクターかな。ふわっと図像の世界をたゆたう感じは独特で嫌いじゃない。気楽な読み物として読むのが良いのかな。
2017/10/23
kuukazoo
「かたち」の「かた」は型、「ち」は「いのち」「ちから」の「ち」で血や乳や風や霊のことである。「かた」の中を「ち」がかけめぐることで「かた」は揺さぶられざわめき流動する。という考えのもと、仏教画や漢字や古今東西の様々なシンボルや文様などの成り立ちやそれが孕む豊穣なイメージが語られる。からだの動きが線を生む、という絵や踊りや書について改めて考えさせらる話や、からだから生まれた線が面の上に描かれ、地図や譜となって物語を紡ぎ出すというエキサイティングな話など、とても面白い。本もまたそんな「かたち」のひとつなのだ。
2017/08/29
kentaro mori
圧倒的な知のタイポロジー。160ページからの図、一枚の紙から物語の大河が生まれる様は圧巻。⚫️この本ではこの「かたち」を、「かた」と「ち」が結びついた複合的なものとしてとらえなおしてみたい・・・と思います。「かた」とは、型。[・・・]一方の「ち」とは、「いのち」の「ち」、「ちから」の「ち」です。[・・・]「かた」に「ち」が吹きこまれ、「いのち」あふれる「かたち」が誕生する。
2018/11/06
Ayako
様々な「かたち」の誕生から、変化・発展までを追った本。取り上げている「かたち」は、古代の紋様から現代の本の装飾まで多岐に渡る。特に、空間を可視化する章が面白かった。味覚地図、時間軸地球儀には、なるほどと思った。
2017/09/18
のんたんの
「身体と響き合うかたち。線や文字が生み出すかたち。時空の場のなかで紡ぎだされる、物語のかたち。世界を呑み込むまでに拡張され、ふたたび身体へと回帰するかたち・・・。珠を結びつける一すじの糸。一本の線が、身体に始まり、身体へと舞い戻る大きな輪を縫い取ってゆく。』あとがきより。
2009/09/24
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