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真説 ラスプーチン 下

真説 ラスプーチン 下

真説 ラスプーチン 下

作家
エドワード ラジンスキー
Edvard Radzinsky
沼野充義
望月哲男
出版社
NHK出版
発売日
2004-03-27
ISBN
9784140808580
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真説 ラスプーチン 下 / 感想・レビュー

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ころこ

クライマックスはいうまでもなく殺害される場面だろう。普通ならば息の根が止まっているはずなのに、そこからも生きていたことを傍証する写真が巻頭に掲載されている。遅れてきた近代による、魔術的な前近代に対する明確な否定という意味は、皇帝の父殺しよりも状況がはっきりしていて象徴的な意味は強い。殺してもなかなか死ななかったエピソード(その前にも暗殺未遂に遭っており、刺されて殺されかけて復活している)をキリストの復活になぞらえるよりも、ロシア的なものの回帰を予言しているととらえる方が現在の状況をみると素直な見方だろう。

2024/09/30

ケニオミ

枕詞に「怪僧」をつけないと居心地が悪いラスプーチン。ニコライ二世の唯一の息子は白血病に侵され、王妃は国民から愛されず、国家は内憂外患。そのような中、現れたのがラスプーチン。ニコライ二世一家の心の隙間に入り込み、国家はますます傾いていく。ラスプーチン本人にはそんな意図はないにも拘らず・・・。

2011/09/01

ナイ神父

教義の是非は別にして、晩年において堕落した聖者といった印象。まあでも、叩かれ続ければ酒も飲みたくなるよね。1913年まで飲んでないとは知らなかった。革命の元凶といえば元凶だろうけれど、私にはどうも皇帝を尊びながら皇后を貶める側の気が知れない。ラスプーチンは、少なくとも彼らより皇帝・皇后の両方に忠実に見える。皇后の側も、自衛のために人事に奔走してすぐ首をすげ替えるくらいなら、ヴィッテ伯を再登用できていれば色々違っていたのかな、とも。敵味方全部含めて、全員が全員自分達で自分達の首を締めていったように見える。

2013/09/19

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