「終戦日記」を読む
「終戦日記」を読む / 感想・レビュー
青龍
図書館本。カウンター近くに「野坂昭如コーナー」ができていた。野坂氏の著書は、数冊しか読んでいないけれども、声高に戦争批判するのではなく、「庶民がどう巻き込まれたか」を淡々と記していのが、野坂氏と同世代の両親が時々漏らす体験と被る。戦後、70年以上が経ったが、私が生まれるほんの20年ほど前にしかすぎないと思うと(今から20年前のことは、つい最近の気がする)、決して遠い昔のことではない、と気付く。そして、大学生の息子を見て、学徒動員で戦死した伯父を思う。
2015/12/23
三平
焼跡闇市派の野坂昭如が終戦前後の人々の日記を読み解く。 焼け野原という結果で敗戦を迎えた本土の人たちは必死に生活を立て直していく毎日の中、その惨禍を人災というより天災だったの如く受け止め、消化していったように見られる。「一億総懺悔」というざっくりとした言葉を掲げ、一見省みているようで、どこの何を間違えて多くの命を散らす道へと突き進んでしまったか本気で考え向き合うことを日本人は置き去りにしたのではないか。
2017/05/13
michel
原爆の時、空襲の時、玉音放送の時…。あの日あの時、何を見て、何を聞き、何を考えたのか。 日本国民は、戦争の惨禍を人災ではなく天災として受け止めていた。野坂氏の戦争に対する終わりなき責任との対峙が、静かながら強く胸に響く。今のウクライナやミャンマーなどの戦況に照応しつつ、戦争に対する個々人の持つ義務や責任ついて考えさせられる。
2022/04/26
おじ
全て騙し合い。政府は国民を騙し、国民はまた政府を騙す。軍は政府を騙し、政府はまた軍を騙す。
2016/12/24
こまさん
毎年定めてる8月の戦争系読書として読了。昨年没した野坂昭如の回顧と、何人かの昭和20年8月当時に書かれた日記をよみとくもの。あの日、あの年、日本はどのような状況下にあったのか、あらためて考えてみる。
2016/08/22
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