法然の編集力
法然の編集力 / 感想・レビュー
うりぼう
昨年秋、松丸本舗で購入。法然は古今の経典を読破する中から、南無阿弥陀仏と唱えることで極楽往生できるという易行に到達する。それは、他を捨てたのではなく、重ね合わせ編集した結果。その確固たる自信が、他派からの批判に臆せず、他派を批判せず、高木氏の地球村の「非対立」のようだ。第2部の絵伝と写真の法然ドラマがその時代を写しつつ面白い。第3部の町田氏との対談は、東日本大震災が、法然の時代の末法と重ねられ、日本文化の祖型が「追放と復活」であり、辺境の地から新たな胎動を期待。「生死を離れ」十牛図の痴聖人が理想的人間像。
2012/03/20
おせきはん
南無阿弥陀仏と唱えることで極楽往生できるとし、仏教を貴族のためのものから庶民のためのものへと転換させた法然の「編集力」について語られています。米国における反知性主義の台頭に近いものがあると感じました。
2018/01/16
非日常口
松丸本舗は色々ときっかけを与えてくれた。あのシステムが他に受け継がれれることはあるだろうが、気づける人はどれだけいるだろうか。ノマドと言う言葉がビジネスの世界で非常に雑に扱われる中、この本は読み手に様々な思考に楔を打つだろう。そう、内容はあえて書くまい。一行に込めたモノに触れるのはあなたの物語から紡がれるのだから。
2012/10/02
bookthinker
10年くらい前に読んだ本。 その時は親鸞上人と松岡正剛氏の全方位型の教養への興味から手に取った。したがって、法然上人にはさして関心はなかった。本を読み終えたあとも、ふーん。としか思ってなかった気がする。今更、法然さん、凄まじいクリエイターだなと気づかされた。 しかし、最近延暦寺に行って、天台宗を目にして思うに、修行は無価値かというとそうでもないのではないか。極楽浄土へのアプローチの仕方が浄土宗及び浄土真宗と天台宗とで異なるということなのかなと考えた。 天台宗の勉強を終えたら改めて再読することに決めた。
2021/03/12
NoriBee
エリートのための仏教から庶民のための仏教への転換点が法然の思想。多くの経文を読み込んだ上での思想であることを知り、ある意味感動。
2013/01/04
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