NHK「100分de名著」ブックス カント 永遠平和のために: 悪を克服する哲学
NHK「100分de名著」ブックス カント 永遠平和のために: 悪を克服する哲学 / 感想・レビュー
breguet4194q
原書でわからなかった事が、この本のお陰で理解できました。当然、解説者のバイアスにかかるのは承知のうえですが、わかった気になってる、とりあえず読了した、挫折した、という結末よりかは、マシかなと思ってます。このシリーズって、副読本としては非常に便利ですね。
2022/03/20
おさむ
難解さで知られるカント哲学。その著作の中でも比較的コンパクトで易しいとされる「永遠平和の為に」の解説本。易しく伝えようとする熱意は買うが、やはり難解だ笑。通説を紹介して、それに対する反論を説明して、さらにそれを否定するという論法を続けているせい。萱野さんの本は得てしてこの傾向がある。人間の本質を邪悪なものととらえ、形式の持つ力によってしかその邪悪さを克服できないとする「平和論」の本質を知りたかっただけに、単なるああでもないこうでもない、の思考実験本を読まされたような感じ。残念でした。
2020/05/25
みなみ
どうしたら人類社会で戦争を起こりにくくできるのかという問いに正面から向き合ったカント。国民が主権を持って立法過程で関与できるという意味での「自由」や格差がなく法に皆従うという意味で「平等」である社会は理想ではあるが、現実の日本を考えると、格差があるのではと感じることもあり、複雑な気持ちに。
2022/10/17
かず
購入動機が思い出せなかったが、その半月後のFacebook「法語コミュ」での書き込みはよく覚えている。ウクライナ戦争に対して、ロシアを非難する声。それに対し、私は「我々も同じ穴の狢」と記した。一度も他者に害意を抱かなかった者など何処にもいない。貴方は他者に意地悪したことは無いと言えるか?悪口を言ったことがないと言えるか?喧嘩したことがないと言えるか?共に他者を尊重していないという点では同じである。読了し、先日辿り着いた決意が深まった。「全てを尊重する」人となる。その上で「全てを愛せる」人となる。続く。
2022/10/27
らる
私たちは自分たちの行為はコントロールできても、その結果起こる事態をコントロールすることはできない。結果として同じ事態が起こると仮定した時、正直でいるか、嘘をつくかを考えるなら、正直でいるべきである/人間の自然状態は戦争状態である/世界国家は諸国家の自由を妨げるため、永遠平和と対極にある/諸国家の自由を妨げることのない諸国家の連合こそが、諸国家の間に「法的な状態」を確立するのにふさわしい/諸国家の連合は法の原理のもとで可能となる。法の原理をつうじて政治と道徳も合致する
2021/11/15
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