KADOKAWA Group

Facebook X(旧Twitter) LINE はてブ Instagram Pinterest

8・15と3・11 戦後史の死角 (NHK出版新書)

8・15と3・11 戦後史の死角 (NHK出版新書)

8・15と3・11 戦後史の死角 (NHK出版新書)

作家
笠井潔
出版社
NHK出版
発売日
2012-09-07
ISBN
9784140883884
amazonで購入する

8・15と3・11 戦後史の死角 (NHK出版新書) / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

きいち

わが身に即して読むと身につまされる。◇職場で何か危機が迫った時、空気を読める人は最悪を想定して動いたりなんかしない。そして、自分で「こらあかん」ってあえて空気を読まずに動き、回避に成功しても、もちろん評価なんかされない。だって周囲からすれば、それを評価してしまったら自分が守れないものね(失敗してても「敗戦」は「終戦」って言い換えられるし)。自分の場合、ロイヤリティを別に持てたしナナメ上に守り手を確保できてたからよかったけど。◇ちょっと待て、311の菅さんってすげえ評価すべきなんじゃないかって思えてきたぞ。

2014/04/14

ミツ

ゴジラ=怨霊説に始まり、戦艦大和ノ最期を経由し国民戦争/世界戦争/世界内戦へと至る世界および戦争の歴史の変遷、日本戦後思想史を概説した後、3.11と原子力、稲作に見るニッポン・イデオロギーと続き鈴木大拙と親鸞へと至る。広範な領域からなる話題をアクロバティックにつなげて行く展開は流石である。8・15と3・11の再検討を通して「変われば変わるほど変わらない」日本人の心性を明らかにすると共に、現在の、そしてこれからの世界の中での日本の在り方に対する提言までも含めた、興味深く気づかされることの多い論考だった。

2016/09/30

ぽんくまそ

少し中身を見て、特に「潜在的核保有国ニッポン」という章があるので、この本を読むことを優先させた。その判断は正しかった。なぜ皆が「その時はそういう空気だったんだよ」ともらしたあと、次の空気に合わせて沈黙してしまうのか、その答えを求めた当時の知識人の思考を片っ端からあたり、どの立場の者にも妥協を許さず考え抜き、土台ごとひっくり返す仮説に行き着く。ただし、精神論では「侵略を公式に反省したことが無い欧米への屈折」、裏事情としては「軍産共同体」が欠かせないと思うのだが、「本書の範囲を超えている」だろうか?

2016/02/03

イボンヌ

終戦と原発事故との共通性を、ゴジラやニッポンイデオロギーで解き明かすみたいな感じでしょうか。「空気」と表現されていますが、今なら「忖度」になるでしょう。

2017/03/27

おおにし

19世紀/国民戦争、20世紀/世界戦争、21世紀/世界内戦と歴史と共に戦争の形が変わってきている。先の日米戦争ではこの歴史意識の欠如した戦争指導層の暴走が無残な敗戦となったと笠井さんは指摘している。21世紀になって戦争の形態は更に変化しているにもかかわらず歴史意識の無い現政権は憲法解釈をねじまげて安保法案を成立させようとしていることに私は大きな危機感を感じる。笠井さんはニッポン・イデオロギーの克服が必要と言うが、難しくまだ理解できていない。親鸞、鈴木大拙が鍵を握っているようなのでここは次の課題としたい。

2015/07/31

感想・レビューをもっと見る