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ネグリ、日本と向き合う (NHK出版新書)

ネグリ、日本と向き合う (NHK出版新書)

ネグリ、日本と向き合う (NHK出版新書)

作家
アントニオ・ネグリ
市田良彦
伊藤守
上野千鶴子
大澤真幸
姜尚中
白井聡
毛利嘉孝
三浦 信孝
出版社
NHK出版
発売日
2014-03-06
ISBN
9784140884300
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ネグリ、日本と向き合う (NHK出版新書) / 感想・レビュー

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壱萬参仟縁

ネグリが「原子力国家」を原発に固執する政・財・官の支配ブロックとする(12頁)。 高度な原子力技術は、テクノクラート組織とメディアによって資本主義の支配を保障し、 民主的プロセスの例外状態を強制する原子力国家の絶対的オプション(22頁)。 不可逆的なのは恐ろしい。 西太平洋の均衡を巡る問題は、帝国主義同士の政治的対立と、国民国家の形態の永続する堅固さと、 多国間を束ねる地域統合の入り組んだ構造から生じる点(43頁)。 ネグリは、原子力国家と民主主義は良質しえない(傍点、69頁)。  

2014/03/27

浅香山三郎

ネグリを迎へてのシンポジウムの記録。マルチチュードをキーワードに、「3.11後の日本」を読みとく。日本に対する「国家資本主義」「原子力国家」といふ形容など、ネグリやそれを迎へた日本の識者の見立てを読むことになる。

2018/05/03

Ecriture

原発保有国はいつでも原子力兵器を保有可能で、例外状態を物理的におしつけて決断を下す「原子力国家」であり、民主主義とは相容れない。ネグリはデモに集った虹色の群衆にコモン創造の実践を見る。市田良彦が強調した負のコモン(公的債権・「みんな」で先食いした未来の利益)も念頭に、私有を共有に変えていかねばならない。姜尚中の「アジアには熱戦しかなかった」と「アジアは今でも冷戦が続く」の両発言は矛盾しているが示唆は受けた。大澤真幸は絶対的民主主義の不可能性を指摘し、資本主義という宗教に別の宗教を対置することを提案する。

2014/05/21

自らを維持するために手段を選ばない「原子力国家」の下では、国民も人口の一部として国家とつながる「原子」と化す。対して、不安定な原子としてではなく、前向きにつながって強くなろうとするのが「マルチチュード」的なな考え方なのかな?と解釈した。「脱原発」は言うほど容易ではないと思うが、「資本主義帝国」や「原子力国家」を超克した先を想像することが大事なのかもしれない。▼全体的にフワフワしているような気がして大賛同はできないが、ネグリさんが来日できてよかった。

2018/04/04

呼戯人

もうとっくに80歳を超えて、マルチチュードとともに世界同時革命を呼びかける革命家にして、思想家が日本を巡る問題について姜尚中らとともに対談した論集。柄谷行人は単なるアナーキストだと切り捨てるが、しかし世界的な民衆の抵抗運動を予見している点で、ネグリの洞察は現代世界への鋭い予見を提示していると思われる。2008年には入国禁止だったが、2013年に来日が果たされて、出来た本。 グローバリズムとネオ・リベラリズムに対する根本的批判がなされている。

2015/08/13

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