フロムに学ぶ 「愛する」ための心理学 (NHK出版新書 573)
フロムに学ぶ 「愛する」ための心理学 (NHK出版新書 573) / 感想・レビュー
kazi
フロムの「愛するということ」を読みはじめて、難解な言い回しに跳ね返されて挫折したので、優しそうなこちらの解説書から読んでみました。全くフロムさんのおっしゃる通りだと思います。現代人は愛を誤解してる。愛されるより覚悟を持って愛することが大切。
2024/09/21
Artemis
誰もが承認欲求を持っている。 そして、愛する能力はあるが、相手がいないという誤解。うまくいかなくなると自分にふさわしくなかったと愛することの努力をしなくなる。 そしてどこかにふさわしい人がいるはずだと次を探そうとする。 そして堂々巡り。 人が人を愛すのは、孤立と孤独に対する不安があるから。不安の解消のためだけに表面的な愛に見える者に逃避することなく、生産的に人を愛すことで初めて人は豊かに幸せになれる。そのための自分の準備を怠らないこと。
2020/09/17
テツ
勘違いしがちだけれど愛情は商取引ではないということ。自分の愛に対して見返りなどなくて当然であり、それを踏まえた上でそれでも愛するということは尊い。「愛されるよりも愛することの方が大切だ」というよく耳にする言葉を論理的に説明してくれていてとてもわかりやすい。見返りを求めず、対象に依存することなく、愛する。能動的に、自らの意思で、全てを擲ち分け与え、愛する。そこに幸せが見出せる、そこにしか幸せは見出せないということは、ある程度年齢を重ねた今になってようやく実感する。
2022/08/04
大先生
「愛される」ことより「愛する」ことが重要だという本です。フロムは【資本主義の原理は「交換」がベースになっており見返りを求めるが、愛の原理は見返りを求めない。自分が愛しても、愛されないかもしれない。だから、愛するには勇気が必要だが、それでも愛するべき。一人を愛することから始めて、それを世界にまで広げよう。人類愛で世界を包み込もう】と主張していたそうで、なんとも心温かい人物のように感じました。もし、「愛する」ことに臆病になっている方がいたら、本書を読んでみるといいかもしれません。
2022/08/03
大森黃馨
エーリッヒ・フロムの同著作を訳された方による同書の解説本(このような本が出されるのは珍しいが新訳版出版の他にNHKの100分de名著のテキストに取り上げられたのか?) どうも原典は己の中に受け止めるものがないのか上滑りして上手く理解は出来ずこの解説本を読んでからの方が素直に内容を噛み締められるかもしれない
2023/07/31
感想・レビューをもっと見る