名著ではじめる哲学入門 (NHK出版新書 633)
名著ではじめる哲学入門 (NHK出版新書 633) / 感想・レビュー
trazom
哲学者やその著作を羅列して紹介する本が多いが、本書は、人間/道徳/存在/国家/暴力/正義/歴史など15のテーマに分けて名著を引用する構成である。公知の内容ばかりで目新しさはないが、その中でも、通説にあえて挑戦したような著者の鋭いコメントが印象に残る。スピノザは反国家的でないと擁護し、カール・シュミットの暴力の考え方を理解し、ルナンの「国民とは何か」に対するナショナリズム解釈の誤りを指摘する。特に、アーレントがアイヒマン裁判を正当化したことを厳しく批判するのは、萱野先生らしい。難しくないから気楽に読める。
2021/07/23
ころこ
本書はのべ50位の古典と呼ばれる哲学書の引用と著者の本文から出来ています。翻訳文が差し込まれて難しい議論が展開されると、前提の知識やそこで覚えなければならない用語に手が出し辛そうに感じますが、意外なのは著者の本文が読み易いことです。確かに引用文は読み辛いと思いますが、引用が難しかったら飛ばしてしまいましょう。著者の文章はそれだけで十分理解できるようになっています。哲学書ごとに数ページずつに分かれていますので、それでもよく分からない論点だったら次へ飛ばせば良いのです。読んでいて随所に出てくるのは、著者のリベ
2020/12/25
ta_chanko
哲学・人間・自己と他者・道徳・存在・政治・国家・ナショナリズム・暴力・権力・正義・刑罰・自由と平和・資本主義・歴史とは何か?哲学者の著作を引用しながら、本質的な意味を考える。それぞれ独立したテーマながら、全体を通して国家や社会の成り立ちと、その中での個人の存在について考えさせられる内容。いずれも重要なテーマだが、その本質について理解しないまま語られていることが多い。国家・権力・暴力・ナショナリズムなどについて、表面的な批判をする前に、一度その枠組みの外側に立って、客観的・本質的に深く考え直すことも大切。
2020/11/11
kubottar
哲学書の紹介本。
2022/02/01
はる坊
人間とは、自由とは、権力とは・・ 各テーマに沿った古今東西の著書からその意味、考え方を問う。 著書の紹介ではなく、その書かれている内容から、何が言いたいのか、現代の問題と照らし合わせてどう参考になるのかを主に話が展開される。 割と読みやすかった。
2022/02/06
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