試験に出る現代思想 (NHK出版新書 686)
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試験に出る現代思想 (NHK出版新書 686) / 感想・レビュー
肉尊
フランクフルト学派・構造主義・ポスト構造主義・現代正義論に至るまで、大学入試問題を手掛かりに解説していく一冊。丸山流に「~であること」から「~すること」という認識論から行動論への転換で現代哲学を考察する向きもあるが、ドゥルーズが説く、同一性は生成変化(becoming)のプロセス=差異から生じる効果であって、生成変化の一時的な状態にすぎないという考えは腑に落ちた。三島由紀夫の『金閣寺』に南泉斬猫の公案があるが、南泉和尚の行為を美とは取出してみると虫歯の如きものと解釈する柏木説には考察の余地があると考えたい
2022/11/13
呼戯人
気晴らしにちょうどいいかと思って手に取った本。ドゥルーズやデリダも共通テストに出るのかと思って、かなりびっくりした。思想の消費の仕方としては、なんとなく違和感があったりするが、気晴らしに読むにはちょうどよかった。ブックガイドもついて、読書が楽しめる。お風呂に浸かりながら読むのが気分よかった。
2022/10/25
クレストン
哲学科卒で人文思想関係を中心に活動する編集者・ライターによる現代思想の新書。nhk新書の「試験に出る~」シリーズの3弾。センター試験の倫理で出された問題を冒頭で取り上げ、思想を解説するスタイルで進んでいく。一部はセンター試験では取り上げてなく著者が自作した問題もある。問題を解くという事である程度考えた後、簡潔で読みやすい解説があるので、全く現代思想に興味がなくとも読み進めることができるのではないかと思う。初めの一冊におすすめします。
2022/11/20
totuboy
センター試験や共通試験の問題として、ある一つの概念を色々な思想家がどのように考えているかを比較させる問題がある。この本はそういった問題をいくつか取り上げてくれているので、比較をするという意味でその差がわかり大変面白い。自分がセンター試験を受けたのは20年前の話で、倫理という科目はこの20年間でずいぶん進化し、新しい思想についても意欲的に問題として取り上げているのだな、と感じる。サンデルやフーコー、デリダやボーボワールなど、子供が使っている「公共」の教科書を一度読んでみたいと思った。
2022/10/11
銀雪
読書会の課題図書になったので読んだ。実際に解きながら読んだら、結構正解率が高くて嬉しい。それぞれの思想家について学ぶ前の取っ掛かりとしても良さそう。大学のような場所を卒業してしまうと、こういう本で得た知見もなかなか直接還元できたり役立つ場面は少ないし、テーマの割にはさらりと読めたけど、私の中ではあまり内容が残らなかった。ただ、考え方のヒントというか、思考のインデックスを手に入れたような感じはある。関連本も読んでみたい。
2024/05/23
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