夢窓疎石日本庭園を極めた禅僧 (NHKブックス 1029)
夢窓疎石日本庭園を極めた禅僧 (NHKブックス 1029) / 感想・レビュー
やいっち
ささやかながらも我が家には庭がある。が、庭作りは学んだことがない。「禅僧にして庭園デザイナーである著者が、禅師との共通体験をもとに、綿密な実地踏査により描き出す日本庭園観照記」という本。やや、レベルが高過ぎた。ま、夢窓疎石の関わった禅宗の境地のある種の極である庭を居ながらにして眺められただけでもよしとしないと。
2021/06/19
さっちも
曹洞宗の方が「禅」って感じを抱いてた。「只管打座〜ただひたすら坐禅する」を標榜し、本山を地方に置いて政権と距離を置いて民衆や下級武士に支持されたところも共感を覚えていた。それに対して臨済宗は茶や庭で戦国武将に媚びをうって、権力に近いところにいるのが気に入らなかった。夢窓疎石を知るまでは。本書を読むと、北条氏も足利家も禅をみずからの国をおさめていく拠り所として純粋に求めていたフシがある。そして稀代の宗教家国師に教えを請いたく、時の権力者が京都や鎌倉に懇願して招いて国家事業としての天龍寺であり、知恩院なのだと
2023/09/04
ムカルナス
禅寺の住職で庭園デザイナーの著者が夢想礎石の生涯と庭園を解説。禅宗から禅文化が生まれた背景、方丈と方丈庭園の役割も素人にも判りやすいように解説されていて禅僧から見た庭園という視点で書かれている。名庭園を羅列した事典的な庭園ガイドブックよりも理解が深まり良かったと思う。
2015/06/12
ととろ
なぜ禅宗から作庭、茶道・華道、芸術などが多く生まれるのか疑問に思っていた。その答えは「不立文字、教外別伝、直指人心、見性成仏」という言葉にあった。悟りは文字や言葉ではなく、心から心へ伝わるものであり、悟りの境地に至るには心の奥底を覗き、自己の心の本性を直視しなければならない。という意味がある。この考え方を実践するなら、坐禅や公案によって培われた精神性が芸術として昇華されても不自然ではない。
2010/11/10
dulce_zakka
庭園観賞が楽しくなる。
2023/08/25
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