幸福論: 〈共生〉の不可能と不可避について (NHKブックス 1081)
幸福論: 〈共生〉の不可能と不可避について (NHKブックス 1081) / 感想・レビュー
たばかる
幸福とは何かという問いを幸福をどう作るのかという問いに変形することが社会設計もとい思想から実学への問いに広がる。年長世代や大人の思う将来の幸福は常に既に「パターナリズム」であるしかないが、そこにどのようなイデオロギーを組み込むのかは思慮するべき問いである。同時に社会設計をする人間の倫理の側も選別されねばならない。未来への課題は多いが避けられない。
2022/12/22
はすのこ
良書。前頭葉破壊系の本である。難解です。
2016/05/08
ひろ
専門の違う社会学者三人が「いかにして幸福な社会は可能か」について議論する。かなり難しく、引用の範囲も非常に広いのでついていくのがやっとという感じだ。多元主義が敷衍し、特に日本では「なにが価値観の基準となるべきか」が霧散した中で、宮台真司は「エリートが緩い合意の元でソーシャルデザインを行えるようクオリファイすること」が有効と言うが、エリートによる動員という面に二人の社会学者が抵抗する。一方で堀内氏の巻末言にある科学技術の進歩は「責任ある行動をする存在」という自己理解を脅かすため受け入れるには時間がかかると
2020/07/01
Max Brown
宮台氏の対談本の中でも、本書は「パターナリズム」に軸足を置いたもの、即ち「人々が幸福になるような社会設計をいかにして行うか」について論じられたものである(宮台曰く「社会科学の新しいステージ」)。その過程で、政治や教育が主要テーマとなる。また、「宮台=システム論、堀内=批判理論」の立場に立ち、ハーバーマス=ルーマン論争の反復を意識した構成になっているのも特徴的である。内容に関しては、議論が「メタにメタに…」遡ろうとするから、極めて読みにくい。やはり再帰的近代において、社会設計について語るとこうなるんだな。
2013/06/21
6ちゃん
久々に社会科学系の読書にはキツすぎたw でも、ソーシャルデザインについての議論は、自分が漠然と政治に抱いていた疑問について、明確にしてくれた気がする。「エリート」の育成もその彼らが作るソーシャルデザインへの批判者の育成?も難しそう。パンピー(笑)な自分は自分の尾っぽを追いかける如く議論が堂々巡りで先に進みゃあしないw
2010/08/22
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