人生・愛と美の法則 (NHK人間講座)
人生・愛と美の法則 (NHK人間講座) / 感想・レビュー
そのじつ
私にとって美輪さんは、けむたいことばかり言う親や先生みたいだ。「紫の履歴書」を読んでから20年、もはや「お母さん」のように感じている。そしてお母さんの言うことは正しい。この本で一番好きなのは美輪さんのアーティストとしての仕事を描いた項。一般に難解だとされている三島由紀夫の戯曲のセリフを、次々と鮮やかに解き明かしてゆく姿は、崇高であり痛快だ。同じ様にされた寺山修司が「俺こんないい台本を書いたんだな」と感動する。美輪宇宙の広さ、深さ、透徹したまなざし、崇高なる精神…そんなものを感じさせられるエピソードだった。
2011/09/03
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