『歎異抄』 2016年4月 (100分 de 名著)
『歎異抄』 2016年4月 (100分 de 名著) / 感想・レビュー
徒花
おもしろい。単に浄土真宗の教義のみならず、仏教のなかにおける位置づけとか世界的な宗教と比較して、親鸞の目指していたものが非常に分かりやすく書かれていた。セールだったkindle版で読んだのだが、ちょこちょこと挟まれている資料の画像などがアップにできないのは残念なところではあるが、さほど影響はない。とりわけ、本願他力という考え方が従来の仏教と比べていかに異色の考え方であるかが理解できた点でも、読む価値があった一冊。
2016/06/08
Kikuyo
親鸞にとって仏の教えが「自分のための教えであり、自分のために準備された物語」であるというあたりが興味深い。普段私達は宗教に対して情報集めのように接している。自分勝手な解釈で都合の良いように利用しているのが現代人なのかもしれない。 自分のフィルターを通してしか人は物を考えられないが、 本質を見極めようとする心がまえ無しに「歎異抄」は読めないだろう。「世間のことが偽物に見えてくるようにならなければいけない」なるほど。親鸞のことをほとんど知らなかった。他力の本当の意味が少しわかった気がした。
2018/09/20
to boy
今まで気になりつつも手にしていなかった歎異抄について分かりやすく書かれているようなので読んでみました。他力って思っていたような簡単なものではないんですね。自力の宗教が実は自分の思い込みだけで満足していて、他力の真宗が奥深く難しいような気がしました。これは良い入門書だと思います。
2016/12/18
nbhd
親鸞についてはほとんど知らなかったものだから、今月の100分de名著はとても刺激的。で、読んでみた。そして、ウルトラC的な感動。悪人正機とか、非義をもって義とする、とか親鸞の教えはパラドキシカルで、歎異抄には「誤解されると困るから読まないでほしい」とあるほど。けど、このパラドキシカルな体系こそ、「信」への跳躍をうながす最強装置ともいえる。矛盾の中を生きるといった考え方も日本人好みで、多くの思想家や作家に愛されてきたのも納得できるところ。このよく出来た体系を親鸞システムと名付けて、勉強してみようと思った。
2016/04/16
三平
以前から興味があった「歎異抄」がTV番組「100分de名著」で取り上げられるということでテキストを購入。歎異抄とは、誤った解釈がされがちな親鸞が目指した信仰が本当はどういうものだったのかを弟子が紹介していく書物になっている。 数々のエピソードで見えてくるのは弱い己に悩み続ける親鸞の姿。人間が持つ力は不完全で思いのままに人を救うことはできず。善いことをしようと思っていてもその中には自分の都合や欲が混じっているのではないか。己を生かしてくれている大いなる流れに比べ、己自身の何とちっぽけなことかと吐露する。
2016/04/29
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