三木 清『人生論ノート』 2017年4月 (100分 de 名著)
三木 清『人生論ノート』 2017年4月 (100分 de 名著) / 感想・レビュー
ミヒャエル・安吾
三木清が人生における諸要素についての考えをまとめた、文字通りのノート。一番心に残ったのは、第2回の愛は抽象的な物には向けられないというところだ。自分は愛国心とは「不自然な」感情だと思う。郷土愛なら分かる。生まれ育った土地は目の前にあるからだ。しかし、「国家」は頭の中にしかない。それをそのまま愛の対象にはできない。だから、「国民国家」が出来たあたり、日本だと明治維新の頃に頭の中を「矯正」されたのだろう。
2017/10/30
Tenouji
久々に見た100de名著に感動し、書籍を読んでみた。地に足の着いた、日本人哲学者である。
2017/06/16
入江
終わった~。これはなかなか難しかった。部分部分で岸見アドラーが顔を出している気がしました。「~ネットを通じて無数のものとつながっていますが、ネット上では名前も顔も、表情や風貌もはっきりしません。だから、大勢とつながっているのに人は孤立していくのです。」「人生の行路は遠くて、しかも近い。死は刻々に我々の足もとにあるのであるから。」
2017/04/29
HALI_HALI
良書。経済的成功が最大の幸福と思われがちな世の中で、幸福追求の復権を唱える。ただし、スポーツとして娯楽的な意味で成功を追求を良しとしている。その点はとても重要で、素晴らしいと思う。習慣的な行為や思考から脱し、到達点よりも過程を大切にする。人生の意味合いを形作るのは己である。何かを創造する事が人間にとって最大の娯楽、という言葉も金言。
2017/09/18
ぺんちゃん
難しかったが、原書に挑戦したいと思えた。最も印象に残った言葉は、「娯楽というものは生活を楽しむことを知らなくなった人間がその代わりに考え出したものである。それは幸福に対する近代的な代用品である」確かに嫌なことが続いているときに、日常を忘れて楽しい気分転換をして、終わってみると自分の悩みをふと思い出し、どっと疲れることがある。生活には仕事も娯楽も含まれているのだ。生活から切り離されるべきものではない。これからは、どちらも生活の一部と認め、人生そのものを楽しむ生き方をしようと思う。
2017/05/27
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