別冊NHK100分de名著 読書の学校 中野京子 特別授業 『シンデレラ』 (教養・文化シリーズ)
別冊NHK100分de名著 読書の学校 中野京子 特別授業 『シンデレラ』 (教養・文化シリーズ) / 感想・レビュー
bibi
表紙に「誰もが知っているつもりの物語は、誰も知らない豊かな世界で満ちている」とあるように、『シンデレラの』の奥深いところまで導いてくれる。ペロー版シンデレラ、ディズニーがかけた魔法、グリム童話集の功績など、なるほどと思うことがたくさんあった。「歴史に残る君主で、かつ花嫁選びの舞踏会を開催して妃を選んだとされるのは、16世紀ロシアのイワン雷帝」なんてコラムを入れるところは、まさに中野京子先生!
2019/05/17
白玉あずき
「シンデレラ」の中国民話起源説には驚いた。シンデレラの小さな足=纏足とは。ペロー、グリム、ディズニー、三者のシンデレラではどれが一番好まれるでしょうか。やはり何の努力も苦労もなし、ラッキーのみで大穴を当てるという、ペローやディズニーパターンが一般受けするらしい。子供にとっても大人にとっても、棚からぼたもちが「夢」なんだよね。現実と違うからこその「夢」。わかるわw。
2018/08/07
井月 奎(いづき けい)
モネはリンゴを多面的に切り、時間を平面に置き換えた作業で絵画に革命を起こしました。多面的視点、異時間の流れを一枚のキャンパスに描いたのです。中野京子の作業はその逆をおこなっています。解体の後の再構築への誘いです。物語論、批評論はともすると物語を硬直させるのですが、本来はそうではなく、古い物語にも熱い息吹が息づいていることを見つけるための方法なのです。この本を読めばディズニーの、グリムの、ペローの「シンデレラ」がそれぞれ現れてきます。汲めども尽きぬ物語の深淵を見せてくれて、思考のもともいただけます。すげえ。
2017/12/09
レモン
ペロー版、グリム版、ディズニー版を比較し、それぞれの国の当時の文化などが色濃く反映されているという解説に納得。何もせずただ幸運を待ち続けるシンデレラが広く浸透したのは、夢を見ていたいからとのこと。私も幼少期に、ディズニー映画をよく観ていた。フェアリー・ゴッドマザーが魔法で変身させるシーンがとても魅力的だった。「カボチャの馬車」や「ガラスの靴」、「12時までのタイムリミット」という幻想的なアレンジを生み出したペローの功績は計り知れない。ずっと夢見がちなのは困るが、現実を忘れて夢を見る時間も時には必要と思う。
2021/12/12
ごへいもち
グリム兄弟の功績、ディズニーの功罪はわかったけど他に新奇な事はなく読まなくてもよかったかな
2018/08/18
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