つまずきやすい日本語 (NHK出版 学びのきほん)
つまずきやすい日本語 (NHK出版 学びのきほん) / 感想・レビュー
徒花
これはよかった。三省堂国語辞典の編纂者である著者が、日本語という言葉について語った一冊。終始一貫して述べられている主張は、「言葉には正しいも間違いもない」ということ。言葉というのは単なる意思疎通のツールであり、時代とともに意味が変わるものだから、「この言葉が正しい」「事言葉の使い方は間違っている」というのはさほど大事なことではない、ということを辞書を作る人が言うと説得力がある。むしろ言葉の意味は使う人、世代、環境によって変わる生き物であるということ。おもしろい。
2021/12/14
アキ
ことばの失敗は誰しも経験があり、誰もが避けたい。つまずく理由は、ことばの持つ時と場合に応じて変化する性質にある。日本語には大和言葉、漢語、外来語の3層あり、変化するのは常に大和言葉である。ことばをうまく伝え、かつ受け止めるには、ことばはもともと伝わらないものだという前提に立って、つまずかない方法を取ることにある。具体的には、話すときは大事なことを二度言う、聞くときは大事な点を相づちの形でなぞる、書くときは多義的な言葉を避けることなど提言する。なにより言葉に寛容になろう。つまずかないように心がけたいものです
2020/07/04
き
「ことばは伝わらないこともある、ではなく、もともと伝わらないものです。」という文が印象的。「ことば」の捉え方について考えることのできる本。ことばは年月とともに変化したり、人によって使い方に差異があったりする。私たち一人一人の頭の中にある辞書は、それぞれ違う。ことばによるつまずきを防ぐ有効な方法として、「人と話す機会を積極的に増やす」「いろいろな種類の本を読む」が挙げられる。ことばへの感度をさらに高めていきたいと思った。
2021/08/19
いちろく
「誤用」ではなく「つまずきやすい」日本語について触れたエッセイ。例えば、同じコトバでも、複数の意味があったり、時と共に意味が変わったり、方言の様に地域独特の意味があったりする事を解説してくれている。コトバのプロである辞書の編纂者が、正誤を明確にする事だけでなく変化を受け入れている事も興味深かった。「伝わるかどうか」を重視すると述べていた項目が特に印象に残った。
2019/04/28
ちから
言葉は時間と共に変化するもの。辞書編纂者の言葉なので説得力があります。 「了解しました」ってビジネスに適さないと思ってましたが(承知しましたが正しい説)、根拠が乏しいらしいです。。人の言い間違いとか、指摘するのはナンセンス。伝わることが大切。言葉は変化するものなので(大事なことなので2回言います)。サクッと読めて良いです。
2022/04/23
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