八百万の死にざま (ハヤカワ・ミステリ 1431)
八百万の死にざま (ハヤカワ・ミステリ 1431) / 感想・レビュー
ニミッツクラス
84年(昭和59年)の980円のHPB初版の積読消化。無免許探偵マット・スカダー物の邦訳初巻で、シリーズとしては5巻目。若い読者にはスカダーやバーニイやタナーよりも“殺し屋ケラー”でお馴染み。帯にハードボイルドとあるが…銃は主人公のトラウマで滅多に火を噴かず、初巻の「過去からの弔鐘」では一度も使用されない。地道なオプ譚だから推理物とは言えないが、確かに大都会なら売春婦殺しでは警察の捜査も甘かろうから探偵の需要もあるね。本書を原作とする86年のブリッジス主演の同名映画はほぼ別物。88年に文庫化。★★★★☆☆
2022/06/11
アラフシア
アル中探偵マット・スカダー・シリーズ5作目。依頼人だった娼婦が刺殺された。スカダーは、容疑者となった娼婦のヒモから犯人捜しの依頼を受ける。今回のスカダーは犯罪より、むしろ酒と戦っている。ラストになんともいえない感動がある。タイトルも好き。原題"Eight Million Ways to Die"
2010/02/02
7kichi
再読。あらためてシリーズ1作目から読み返しているが、この作品はスカダーの苦悩がより描かれている。ラストも秀逸。
2013/07/09
ヨッシー
うん、なるほど、やはり名作と言われるだけはあります。面白いですね。どことなく詩的な印象を受ける文章に引き込まれるのです。というか、事件の真相やスカダーのアル中がどうとかより、ただただ文章を楽しみました。一週間くらいかけてじっくり読みたい作品。でも、こういっちゃなんですが、やっぱり自分は、ハードボイルドを、面白いとは思えても、好んで読みたくなるほど好きではないのかなぁとつくづく思わせられた本でもありました。つまらなくはないけど、他の作品まで読む気にはならなかった、というのが正直な感想かなぁ。
2012/12/17
おさむ
マットスカダーシリーズ第5弾の長編。アルコール中毒に苦しむ様が、作品全体に暗い影を落とす。警官汚職、人種差別、売春といった、ニューヨークの暗部が浮き彫りに。謎解きはやや強引な感が否めず。
2013/03/20
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