機械探偵クリク・ロボット〔ハヤカワ・ミステリ1837〕 (ハヤカワ・ミステリ 1837)
機械探偵クリク・ロボット〔ハヤカワ・ミステリ1837〕 (ハヤカワ・ミステリ 1837) / 感想・レビュー
猿吉君
戦後すぐぐらいに描かれた古典的推理小説、クリク・ロボットが万能過ぎて1台欲しくなりました。①正直なところ作風や翻訳の調子は私には合いませんでした、古さは否めないです。②クリクの出す紙の謎が全然犯罪の謎と関係性が無いのが一番気になりました、ここを許せるのかが分かれ目かと。点数50/100→サクッと読めて謎もそこそこ面白い、ただしその古さ故なのか私には合わなかった作品でした。
2023/05/09
藤月はな(灯れ松明の火)
喜劇王、チャップリンが認めたユーモア小説家によるミステリー。とにかく、「可愛い!!」の一言しかないミステリー。だって探偵が四角頭でチロリアンハットを被り、チェックのスーツを着た万能ロボットなんだもの!本書は可愛くもユーモラスな押絵と暗号と洒落がいっぱい。私はパンテオン神殿からフランスの偉人の遺骸を盗み出した賊の統領の理由とユーモアへの言及と皮肉に頷くことしきりでした^^こういうユーモアはせかせかした今だからこそ、染みわたるものだな。この作家さんは要チェック&このユーモアは後世に伝えられるべきだ!
2014/06/07
雪紫
ユニークかつユーモラス。警察から一目置かれる探偵ロボ。クリク・ロボットはライバル視するグリモー刑事の短気もなんのその。製作者のアルキメデス博士と一緒にマイペースに殺人と偉人の遺骸誘拐の謎を解く。作者自身の挿絵とクリクの何処かズレた優秀さを見せる機能がユーモラスさを増して、読んでて楽しい(翻訳担当が日本でも通じるようにしてくれたからの配慮もあってこそ、感謝)。・・・しかし、最初の事件の被害者がかなり長生きなのでこいつもロボットじゃね?と思ったのは多分わたしだけ。
2020/06/27
ニミッツクラス
10年(平成22年)の税抜1300円の早川ポケミス初版。14年にHM文庫化(追補有り)。著者はホームズ・パロディ短編集「ルーフォック・オルメスの冒険」を書いた人。本書は45年、47年の機械探偵物2中編を収録。58年に他界で、本人も作品も古いが、なぜ本邦で近年刊行なのか…海外ユーモア小説の難所、つまり駄洒落の翻訳が主因だろう。機械探偵の出す犯行分析結果のプリントアウトのテキスト(ほぼ暗号文)を訳者が新しく創造し、会話文でも語呂合わせが必要だ。自分ならこの翻訳忖度で悩む前に辞退案件だ。訳者に感謝。★★★★☆☆
2023/06/20
Koning
'40年代のユーモアミステリの翻訳。2010年刊行なところが凄かったり。古き良き時代のロボット(電子部品?んなもんない!歯車!)が間抜けな警察を翻弄する事件を見事に解決!という筋立ても登場人物のカリカチュアライズもある意味お約束なんだけれど、そこがイイ!という1冊。2編収録されてるんだけど、入手で来た物だけって気がしなくもない(w。表紙のカラーイラストを除いて挿絵も当時の物。翻訳もちゃんと駄洒落とか暗号なんかを日本の読者が読めるように工夫してあったりして中々素敵。
2013/11/26
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