ミステリアス・ショーケース (ハヤカワ・ミステリ)
ミステリアス・ショーケース (ハヤカワ・ミステリ) / 感想・レビュー
本木英朗
べニクオフ、フランクリン、クック、ハミルトンら、ポケミスの人気作家による豪華競演!と言えば、この作品である。まだ一編の小説も世に出していない作家に取材の依頼が届く。それはアルゼンチンの美しい女子大生からだった――という話から始まる、デイヴィッド・ゴードン「ぼくがしようとしてきたこと」や、田舎町の下水処理会社で働く青年は車を西へ走らせる、セクシー映画女優になった高校の同級生を連れもどすために!という、ニック・ピゾラック「この場所と黄海のあいだ」など9編を収録している。(→)
2021/04/22
seacalf
短編集で色んな作家の作品が楽しめるのは面白い。個人的には、ベニオフとハミルトンは期待通り面白くて、デイヴィッド・ゴードンとクックはやはり苦手。 ダグ・アリンの「ライラックの香り」だけでも読む価値あり。びっくりした。悲惨な南北戦争を扱っているのに、気が利いた文章でぐいぐい読ませてくれる。この人の他の作品も探して読まなくちゃ。
2016/04/01
アーチャー
個人的にはゴードンとベニオフの作品が面白く感じた。雑誌「ミステリマガジン」で掲載されたまま読むことが困難になった作品は、それこそポケミス数十冊分にもなると思うけど、本書のようにマメに”ショーケース”として紹介してほしい。
2016/03/31
ミヤ【復帰】
図書館本読了。スティーブ・ハミルトンとデイヴィッドベニホフ以外は始めて読みました。短篇集ですが一つ一つの話が丁寧に作られており良かったです。これでまた海外作品を選ぶ楽しみができました。どの作家の方も素晴らしい受賞歴があり満足の一冊でした。
2014/01/26
ニミッツクラス
12年(平成24年)の税抜1300円のポケミス初版。早川編集部による、本邦初訳4編を含む8編を収録。文学寄りの地を這うミステリアスドラマが主で、自分が慣れ親しんできたドキハラワクワクの創作話と比すると悶々とした読後感がある。一番読み易いのはハミルトンの「四人目の空席」で、ゴルフコースでの殺人について、故殺か謀殺かを絡めて他聞や風評に気を遣う職業の人々を主人公が婉曲に恐喝する。探偵物を書いている著者らしい内容。概略でも言及あるアリンの「ライラックの香り」はミステリアスドラマを越えた戦争文学。★★★★☆☆
2022/02/09
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