キャサリン・カーの終わりなき旅 (ハヤカワ・ミステリ 1868)
キャサリン・カーの終わりなき旅 (ハヤカワ・ミステリ 1868) / 感想・レビュー
ひめ
あの時、迎えに行っていれば・・・。ジョージ・ゲイツは救われたのだろうか。ゲイツとアリスのやり取りが、この本の中での救いであった。いろいろな物語が混ざり合って、読むのに時間がかかったけれど、私はこの物語に「悪は滅びる」という希望をみたような気がする。
2015/05/22
本木英朗
現代アメリカの本格ミステリ作家のひとりであるトマス・H・クックの24作目の長編である。ジョージ・ゲイツはかつては失踪事件が起きた場所を訪ね歩く旅行作家だったが、7年前に8歳の息子が何者かによって殺されてからは、地方新聞社の記者として働いている。ある日、彼は20年前に謎めいた小説を残して失踪した詩人キャサリン・カーについての話を聞く。ふとしたきっかけで、彼は早老症の少女アリスとともに、その小説を手がかりに詩人の行方を追うことに……という話だ。いやいや、そうだったのか! さすがクック先生である。(→)
2021/03/01
panam1927
★★☆☆☆
2017/07/10
りつこ
面白かった!ジョナサンキャロル風味のクックという印象。ミステリーとして読むと、ざけんなごらぁ!という気持ちになるかもしれないが、私は好きだった。息子を殺された記者が早老症の少女アリスとともに、謎めいた小説を残して消えた詩人キャサリン・カーの行方を追う。悪意や絶望を山ほど目の前に差し出しながら、ほんの少しの希望、救いを暗示するような物語。素晴らしかった。
2013/04/16
アルラ
この本の感想はどうやって書いたらいいのだろう…。前作「ローラ・フェイとの最後の会話」よりさらに難解かも。卑劣な犯罪で愛する家族を失った主人公は癒えることのない苦しみを抱きながら、難病に侵された少女アリスと共に失踪した作家キャサリン・カーの残した作品を読み解いていく。途中彼が世界中を旅した記憶も時々はさまれたり、幻想的なできごともあり複雑な構造になっている。わたしの力不足なのだが最後の一行でまた冒頭に戻りしばらくは考え込んでしまった。割り切れるミステリと異なるが、遠くにうっすら光りを感じる読後感だった。
2013/08/16
感想・レビューをもっと見る