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生か、死か (ハヤカワ・ミステリ 1911)

生か、死か (ハヤカワ・ミステリ 1911)

生か、死か (ハヤカワ・ミステリ 1911)

作家
マイケル ロボサム
越前敏弥
出版社
早川書房
発売日
2016-09-08
ISBN
9784150019112
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生か、死か (ハヤカワ・ミステリ 1911) / 感想・レビュー

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青乃108号

ページを開いた途端、めまいを感じた。苦手な二段組だった。だが、ままよと読み始めると一気に物語世界に引き込まれる。俺に時間と若さがあったら間違いなく一気読みしていただろう。主人公は10年に及ぶ服役を堪え忍びようやく明日釈放、という前夜に脱獄する。常軌を逸したその行動の理由は。物語は現在と過去を縦横無尽に描いていくが、一切の無駄を感じさせず、徐々に、そして確実に真相に迫っていく。やがて明らかになる驚愕の事実。巨大な陰謀。クライマックスに待ち受ける興奮。そしてラストで得る感動とカタルシス。これは凄い。大変凄い。

2024/03/13

紅はこべ

追う者と追われる者のサスペンスかと思いきや、実は愛の物語。人は愛する人のためにここまで尽くせるものなのか。これほど不運で気高い主人公も珍しい。モスがオーディに贈った言葉が端的に彼の人物像を表している。「おまえの身に恐ろしいことが起こった。おまえはずっと戦いつづけて、それを乗り越えた。おれたちが心の頼りにできる存在だったんだよ。おれたちは弱い人間で、けだものみたいに扱われてるが、それ以上のものになれると教えてくれたんだ」デジレーも魅力的だが、FBIって身長制限ないの?

2017/02/21

のぶ

冒頭の出来事から自分の予想外で進行した話だった。刑務所で出所の前日に脱獄した主人公、オーディにどんな真相があるのかがこの作品のテーマだと思っていたからだ。もちろんそれが最大のテーマだが、読んでいて最初は周辺でいろんな人物が出てきて群像劇かと思った。あまり登場人物に横のつながりが感じられないのだ。読み進むうちに少しずつ作者の意図が明らかになってきて横のつながりも出てきた。そしてラストで明らかになる真相が明らかにされた時、静かな感動が湧いてきて、この作品は良い!と思わせるものだった。

2016/11/20

ペグ

登場人物に制約が多い程、ある目的が達成された時、カタルシスが大きい。なので刑務所や潜水艦からの脱出物は面白いなぁ〜と常々思ってます。小説では「刑務所のリタ ヘイワース」「3秒間の死角」等。映画だったら「大脱走」「Uボート」等。けれどこの小説は脱走することが本題では無く、過去からの因縁が未来に繋がっていくので、いつものパターンとはひと味違う。、ハリウッドで映画にしたらきっとヒットしそう。途中、ちょっと冗長かなという場面もありましたが、登場人物も魅力的で個性がはっきりしているので肩の力を抜いて読める作品です。

2016/12/09

ナミのママ

CWAゴールド・ダガー賞受賞。出所日の前日に脱獄をした理由は何か?…ひとことで言えばそういうストーリー。凶悪犯のはずの主人公がやけに“良い人“に書かれているし、短い感覚で視点が変わる書き方にぶつ切りにされる感じ。中盤まで読んで、途中で放棄した。だけどやっぱり“脱獄の理由“が気になる。続きを読み始めたら後半は面白くなり、最後は一気に読み終えた。読後は納得なんだけど、こんなに長くなくても良かった気がする。

2021/02/06

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