デューン砂の惑星 4 (ハヤカワ文庫 SF 94)
デューン砂の惑星 4 (ハヤカワ文庫 SF 94) / 感想・レビュー
NAO
最後の試験を乗り越え、フレーメンの頂点に立ったポウル。いろんな謎が一気に解けていく最終巻は、怒濤の展開。ストーリーとしてはよくある復讐譚だが、巻末の補遺を読むと、話の背景にはかなり重いものを持っていることが分かる。長い話が終わって、でも、やっと話は始まったばかりという感じがするのもそのためだろう。麻薬のようでもある香料(スパイス)を食するフレーメンの多分に宗教的な世界や帝国の支配体制など、物語が持っている世界観を充分理解しそこに入り込めるかどうかによって、この話の印象は大きく変わるのではないだろうか。
2015/10/06
姉勤
砂漠の民フレーメンに戴かれたポウルは、巨大な砂漠の生物サンドウォーム(某アニメのドウモウにそっくり)を駆り、支配体制に対し反攻作戦を開始する。父を殺めた男爵とそれを継いだ甥に復讐を遂げ、スパイスを質にしてアラキスの独立と、心理操作を可能とする声(ヴォイス)をつかい、皇帝に娘の嫁入を強要する。未来が見通せる人物たちが納得しながら話が進むため、物語の因果が腑に落ちず。 続編ありきの結末。砂漠の星を緑の星に変えるテラフォーミング神話は、まだ当分先のようだ。
2015/11/22
新田新一
今回再読して、なぜこの物語が現代SFの最高傑作と言われるか分かりました。この巻では、主人公のポウルがさまざまな試練を経て、フレーメンの長として認められるまでが描かれています。ボウルはフレーメンの敵のハルコンネンも撃破。作者は巧みなストーリーテリングで物語を引っ張り、アラキスという過酷な世界を緻密に描き、登場人物たちの心情を深く掘り下げて書くことに成功しています。これほど面白くて、独創性を感じる物語は少ないです。SFの分野だけではなく、一般の小説の分野においても名作と言えるかもしれません。続編も読みます。
2024/09/27
Tadashi_N
伯爵対男爵の闘い。とりあえず一段落。
2022/04/20
がんぞ
皇帝の直属部隊サウダルカーは砂の惑星アラキスの地上戦でフレーメンに圧倒された。恒星間飛行はギルドが取り仕切っているが、大気圏外から攻撃することは禁忌でもありアラキスしか産出しないメランジがなくては業務を行えない。ポールは、ベネゲセリットの宿願であった「男のベネ…」=クイサッツハデラッハであることを闡明したが、修道会の男系遺伝子確保の野望に協力しないと宣言/巻末に砂虫のややこしいライフサイクルの解説。アスワンダム・ハイダムにより洪水が無くなり雨季が出現して生活環境=政治の基本状況が一変したエジプトが念頭か?
2017/05/13
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