人間以上 (ハヤカワ文庫 SF 317)
人間以上 (ハヤカワ文庫 SF 317) / 感想・レビュー
セウテス
健常者という意味に対して、肉体的や精神的、知能的等のハンディキャップを持つ人々。彼らはこの社会において、差別的な扱いを受けているのだが、実は特別な能力を持つ人々もいる。彼らが集まり「集団人」という存在に変化していく意義や、それを人間の進化と考えるのかという物語。そんな感じに私は受け止めたが、文章の描き方に特徴が有りすぎて、正直充分に理解してる自信はない。人間以上という意味も、良く理解は出来ていないと思われ、個と集の違いが進化と言えるのだろうか。彼らがひとつの生命になろうとするラストは、ある種の感動がある。
2021/03/28
藤月はな(灯れ松明の火)
厄介者、役立たずとして蔑まれていた者たちが実は人類を越えた能力を持っていたとしたら。ニーチェが『善悪の彼岸』などで「倫理や道徳、宗教が人間本来の人間性を抑圧させてある意味、白痴(畜群)化させてしまう」と批判していたけど、超能力を持っていた彼らも社会集団では孤独となるしかなかった。融合されることにより、由るべき安らぎと共に何物にも縛られない完全な自由の「孤独」を得るという表裏一体さ。それにしてもアニメを観ていた者としてはやっぱり、『エヴァンゲリオン』や『NIGHT HEAD』が思い浮かんでしまいます^^;
2014/10/31
miroku
愛と孤独と奇想の作家スタージョンはやはり良い。善悪の彼岸にある無垢。スタージョン作品はクリスタルの透明感を持つ。
2012/07/13
そふぃあ
超能力を持つ子供たちが寄り集まり、「集団人」という新人類を名乗る。集団で一つの生物だから、彼らは独りぼっちらしい。古いけど新しい発想というか。 絶版で、アマゾンで¥1,400〜7,500になってた。私もアマゾンで買ったけど、届いたのは旧カバー版だった。。
2018/06/21
hit4papa
タイトルがあらわすとおりポストヒューマンものです。超能力少年少女たちが集って、ひとつの個性である集団的有機体を形成するという物語。彼らは優れた能力を持ちながらも、欠落した部分があって、ひとりで生きていくには明るい未来が見えません。単なるヒーローものではなく、人間の存在そのものを問う作品になっています。
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