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地球の緑の丘 (ハヤカワ文庫SF―未来史2)

地球の緑の丘 (ハヤカワ文庫SF―未来史2)

地球の緑の丘 (ハヤカワ文庫SF―未来史2)

作家
ロバート・A・ハインライン
矢野徹
出版社
早川書房
発売日
1986-07-01
ISBN
9784150106737
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地球の緑の丘 (ハヤカワ文庫SF―未来史2) / 感想・レビュー

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亮人

未来史の第2巻。でも1巻を読んだのが随分昔であまり記憶に無い…しかし名篇「月を売った男」は鮮明に覚えており、この本にはその続篇「鎮魂歌」が掲載されているとの事で手に取った。メッチャよかった!!宇宙への情熱が一人の男を突き動かす姿はじつに素晴らしい。他にも宇宙時代の人々の生き方を切り取ったような「宇宙操縦士」「帰郷」「宇宙での試練」あたりも好きだ。一方でオールタイムベストの常連の表題作はなんかぴんと来なかったなあ。。。

2013/02/18

もぐもぐ

1986年に刊行された「未来史シリーズ」の第2巻。人類が宇宙へ進出した時代を描いた短編集。表題作「地球の緑の丘 The Green Hills of Earth」、宇宙航路の盲目詩人ライスリングが死の間際まで謳い上げる地球への望郷の念が好き。この作品を読む度に、真乃呼さんの「緑の世紀」を思い出します。作中でライスニングの歌が引用された”緑なす地球の丘に”がとても素敵でした。せめて電子化を。

2022/12/21

ニミッツクラス

86年の520円の初版。本書は著者の時系列版”未来史“が底本(一冊)で、それを3分冊した2巻目で11編を収録。米本国で時系列順に編んだのが67年だから、それより前に本邦で刊行された同名の元々社版と早川銀背版は本書とは掲載内容が違う。実はこれが歯痒い処で、初巻の「爆発のとき」「月を売った男」と本書の「宇宙操縦士」「鎮魂曲」の4編は背景を同じくする連作で、特に月と鎮魂の主人公ハリマンの狂おしいばかりの”望み“は、続けて読んだら余命を感じるシニア読者には涙がとまらない名作なのだが…分冊してしまった。★★★★★☆

2018/09/02

白義

人類が宇宙に進出した未来、人々は宇宙の新たな生活に悪戦苦闘し、地球に郷愁を懐き、それぞれのミッションに誠実に取り組んでいた。そんな未来を彩る短篇が収められている。人々の危機のために命を捨てる覚悟を持った男や、ただずっと月に、宇宙に憧れてきた男、諸惑星の会談をまとめる依頼を受けた会社など、泣けるもの燃えるものから皮肉な結末のものまでバラエティ豊か、未来史短編集三部作の中では個人的に一番充実していると思う。特に表題作、そして月を売った男の後日談(発表はこちらが先)の「鎮魂歌」がオールタイムベスト級の名作である

2017/12/11

roughfractus02

開拓者精神が軍人精神と結びつく時、未来を自由意志の可能性として捉える個人の向こうに領土を拡大する国家の欲望が垣間見える。月と地球との交流を軸とした宇宙開拓物語の主人公たちは、英雄と奴隷、探す者と迷う者との間の政治的・権力的な格差を与えられる。第二次大戦から戦後にかけて書かれた11作品を収めた本書は、個人の自由という契機と軍人の犠牲という理念が交差する前向きな行動原理の中に、後ろ向きのノスタルジーを仄めかしながら物語に詩的情感を漂わせる。盲目の人物の彷徨いは未来が振り払えない過去を読者の今に示すかのようだ。

2023/12/12

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