ゲイトウエイ 2: 蒼き事象の水平線の彼方 (ハヤカワ文庫 SF ホ 3-2)
ゲイトウエイ 2: 蒼き事象の水平線の彼方 (ハヤカワ文庫 SF ホ 3-2) / 感想・レビュー
おーすが
ロビンの過去の苦難が描かれた前作から話はとんで、ヒーチーの食料倉庫へ向かうクルーたちの人間模様が描かれる。並行して食料倉庫のたった一人の生存者ウワンの物語がすすみ…と、字面では面白そうだけど、結構ややこしい、かつむだに猥褻で戸惑う。が、残り50ページで怒涛の展開かつ種明かしがあって、最終的には楽しめた。エシーが神すぎるな!熱病で死を体験するくだりも好き。やっぱりなにかと惹かれるフレデリック・ポール。いよいよ3部、ヒーチーに会いに行こう。
2022/02/05
スターライト
傑作長篇『ゲイトウエイ』の続篇。多くの読者は前作で行方不明になったクララの捜索に赴くロビンの冒険が描かれるかと期待しただろうが、その部分はほとんど書かれず、ヒーチー人の食料工場とヒーチー・ヘブンの発見、そこから新たな発見をして億万長者になる夢を抱いて調査に向かうハーター・ホール隊の苦闘が展開される。屈指の富を持つロビンはホール隊を指揮しながらも、妻のエシーの回復を気遣う。不思議なことにエシーは、ロビンのクララ捜索はおろか、二人の関係にも理解を示すのだが、そういうものなのか。ヒーチー人の謎も一部解明される。
2023/05/16
ふじい
再読。フレデリック・ポールの書く未来のなんと意地が悪いことか。困った状況を書かせると右に出るものはいない。 何故に深宇宙探査に思春機の少女を乗せるのか!宇宙の果で孤独に育った少年。そこに爽やかなBoy Meet girl はない。なぜストレートにプロスペクター達の冒険をもっと読ませてくれないのだ。しかし当時読んだ際はご都合主義に思えた点もよく練られていることがわかる。ラストには怒涛の伏線回収が待っている。
2022/10/18
マサトク
前作は再読だけどこれはじつは初読(のはず)。ヒーチー人の「食料工場」に向かう一行と、ロビンのその先の話を描く。「130日熱ってなんだ?」と思ったらそんなことが、というのはまだ序盤。どんどん謎が解けていき、ロビンはあっち行ったりこっち行ったりし、最後に明らかになるヒーチー人が消えた理由というのが宇宙論的スケールの問題なのか…という大風呂敷がまた良いなあ。ひたすら牽引力があって面白い。解説は安田均さん。
2022/02/07
ニミッツクラス
97年の8刷(初版は88年)を読んだ。ゲイトウエイの“続編”と言うより、ヒーチー年代記の2作目と呼ぶべきか・・原題の直訳が副題となっている。それにしても本書、読み難いったらありゃしない。禁欲的でない話題を禁欲的に読み進める・・分冊なら下巻は積読行確定だった。安田氏の解説に前作についてプロット重視だとガックシ感があり、キャラの掘り下げを含めて心の余裕が必要とある。しかるに、と本作についてヨイショするものの、後発の読者には現時点でこの先があると判っているから先へ進むのだと言う克己力が求められる。★★★☆☆☆
2013/09/18
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