獣の数字 1 (ハヤカワ文庫 SF ハ 1-26)
獣の数字 1 (ハヤカワ文庫 SF ハ 1-26) / 感想・レビュー
roughfractus02
ボルヘスの荘厳なバベルの図書館をイメージしながら本書を読むと、本書の多次元宇宙も本の並ぶ図書館に見える。が、異星人に狙われた2組のカップルが逃げ回りながら多世界を巡る物語は、主人公4人のオープンな性の会話が6次元の幾何学理論になったり、次にジェンダーに関する古風に議論になったり等、6の6乗の6乗あるとされる多世界を、一冊一冊の本の世界を忙しなく通過するドタバタ喜劇のようだ。本巻でも、次元間移動装置に乗って逃げる主人公達自身が(その名前からも)、作者の他の作品へ誘う扉をすでに開けていることに読者は気づく。
2023/12/01
2兵
学生時代に読み始めたものの、そのハードな会話の内容と、ハインラインの小説を多く読んでいる読者でなければ着いていけないほどのぶっ飛んだ展開のせいで、当時、残念ながら一度挫折してしまった作品。『愛に時間を』を始め、他のハインライン作品をあの頃に比べたらだいぶ読んできたと思うので、再び挑戦することに。"獣の数字"666は、正しくは6の6乗の6乗。この作品における平行宇宙?の数の事。主要登場人物は四人しかおらず、しかもほぼ会話だけで、流れるようにストーリーが進んでいく。その内容も上記の様に、科学・哲学(続く
2019/02/27
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