ネメシス 上 (ハヤカワ文庫 SF ア 1-27)
ネメシス 上 (ハヤカワ文庫 SF ア 1-27) / 感想・レビュー
roughfractus02
人類が宇宙を帝国化する動力は物語世界では先端技術や科学理論だが、物語自体の動力は人類の不遜さが引き起こす危機を生み出す政治的な権謀術数である。23世紀に80億人を超える地球と植民衛星の2億の民からなる人類が太陽系外へのさらなる移住を目論む中、巨視的には居住可能なネメシス星系の発見情報を極秘にする植民衛星ローター政府と地球政府の独自調査の間の野心と利欲、微視的には離婚した夫婦の娘を巡る葛藤が物語を動かす。本巻では母が命名したネメシス(神罰の女神)に惹かれる娘とこの星系の接近による太陽系の危機が予告される。
2023/07/21
鐵太郎
仮に、5000年先にこの世界が滅びるとする。どうする。5000年先のことなど、今悩んでもしかたがないではないか。今生きのびることが大事ではないか。 これには一理ある。 たった5000年しかないではないか。今始めても、80億の人類をどうやって移住できるのか。これも一理ある。 今の人類に突きつけられている問題にも通じる命題ではありませんか。
2009/03/19
SINKEN
【総評】★★★★★【感想】冒頭で著者本人が書いている通り、読みやすくて気持ちいい。SFでありがちな難解さがないにも関わらず、きちんとSFしてるところがアシモフの人気の一つと思う。上巻は主要な人物紹介とそれらを取り巻く環境についてのいきさつがメインで、過去と現在とが交錯しつつ話が進む。そこに何やら怪しげなミステリ要素が絡んできて、読み進めるのが楽しかった。後半の展開が楽しみ。
2018/04/30
:*:♪・゜’☆…((φ(‘ー’*)
第二ファウンデーション人みたいな娘が登場。これはファウンデーションシリーズとつながるような。「太陽・地球・月=ネメシス・メガス・エリスロ(ギリシャ語で赤)」同じ地球人ではあるが、地球人と植民衛星人との重力に対する体感や大地や海に対する感情相違など、見てきたかのようなもっともな描写に引き込まれる。ファウンデーションシリーズでもロボットシリーズでもここでも「匂い」の記述があった。その地にやってきたよそものが感じる、その地独特の匂い。アシモフさんも感覚過敏だったのかなあ。
2023/09/16
Musa(ムサ)
文章は読みやすく内容も面白いです。後編に期待。
2020/09/12
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