この世の彼方の海―永遠の戦士エルリック〈2〉 (ハヤカワ文庫SF)
この世の彼方の海―永遠の戦士エルリック〈2〉 (ハヤカワ文庫SF) / 感想・レビュー
拓也 ◆mOrYeBoQbw
ファンタジー。エルリック・サーガ第二巻。各々のエピソードを繋げ長篇に仕上げた一冊。やはり表題作『この世の彼方の海』が特徴的ですね。これはムアコックのホークムーン・サーガのラストシーンにエルリックが居合わせるという所から始まる時間軸を逆行した造りで、物語のテーマである”運命論’を良く表現してる連作です。個人的に好きなのは、”彷徨えるユダヤ人”をモチーフにした『過去への旅(翡翠像の目)』、盟友ムーングラムとの出会いを描く探索劇『神々の笑うとき』の二篇。やはりエルリックにはパラドックスが良く似合います。
2015/04/26
鐵太郎
さまようエルリック。幻想的な旅が続きます。「この時代がわれらを憎むというのなら、その火に油をそそいでやろう!」・・・なんという虚無的なヒーロー! ところで「歌う城砦」でひとつツッコミあり。トライリームのガレー船と戦う羽目になるのですが、訳語としては三層ガレー船でいいんでしょうけど、文章の中で一本の櫂に三人がとりついて漕ぐと説明されながら、「三列オールのガレー船」と書いているのは訳者の勉強不足か。(笑)
2007/07/14
ホームズ
相変わらず作品全体に漂う不思議な雰囲気が好き(笑)ちょっと理解しにくい感じもするけど(笑)『この世の彼方の海』ではエルリックの他、エレコーゼ、コルム、ホークムーンも登場して(笑)こういったつながりが良いですね(笑)『夢見る都』との間にある物語も書いて欲しいですね~(笑)いきなり故郷を攻撃することになっていてちょっとビックリ(笑)
2010/06/01
しまっち。
エレコーゼ、コルム、ホークムーンも登場。これからの関わりも楽しみである。しかしメルニボネには帰れないだろうと思っていたが、こんな形で帰還、そしてまさかのサイモリルとの結末。悲嘆にくれるエルリック。目的を失って、ますます翻弄されていくのであった。こんなにハツラツ感の全くない悲哀に満ちたヒーローであるが、その世界観の巧みさでどうしようもなく面白いのである。
2017/10/10
isfahan
この小説って一番ノリが近いのって日本の剣豪小説なのではなかろうか。恋人を死なしてしまい脱藩→旅→事件→美女と良い仲になるが悲しい別れ……みたいな。永遠の戦士が4人集まった話はこれぞファンタジーという展開で素晴らしかった。
2012/11/07
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