暁の女王マイシェラ (ハヤカワ文庫 SF ム 1-24 永遠の戦士エルリック 3)
暁の女王マイシェラ (ハヤカワ文庫 SF ム 1-24 永遠の戦士エルリック 3) / 感想・レビュー
拓也 ◆mOrYeBoQbw
ファンタジー長篇。『薔薇の復讐』を再読です。旧版の天野氏のイラストが無くなったのは残念ですが、ムアコック版の『神曲』、あるいは『アイネイアス』の様な、様々な仲間と共に多元宇宙の階層を巡る冒険長篇です。エルリックシリーズの中でも特にモチーフの引用が多彩で、イスラム、北欧、イタリアの古典などが織り交ざり、更にコルム・サーガの敵役”呪われた公子ゲイナー”もシリーズ初登場しますね。本来は読み切り外伝で登場人物やエピソードが入り乱れるので、衒学ファンタジーとして読む感じが良いですね(・ω・)ノシ
2018/01/03
スターライト
「暁の女王マイシェラ」「薔薇の復讐」の二中篇を収録。前者は魔術師セレブ・カーナとの死闘を、後者は多元宇宙でエルリックが亡父の魂の救済のために、<呪われし者>ゲイナーと戦う。やはり、好漢ムーングラムが脇役を固める前者の方が面白い。またもや<永遠の戦士>エレコーゼこコルムも出てくるし。後者もウェルドレイクという詩人でお調子者(?)が色を添えるが、ムーングラムほどの精彩はないようだ。それにしても気になるのは、セレブ・カーナとの決着は果たしてついたのか、ということ。「宿敵」というぐらいだから、再登場もあるかも。
2012/06/05
ホームズ
書かれた年代の違いのせいか『暁の女王マイシェラ』の方は読みやすかったけど『薔薇の復讐』の方は読みにくい感じがしてしまった。エレコーゼやコルムの登場は嬉しいですね(笑)早く新しいの買って読みたいけどまだ先は長いな~(笑)
2010/06/13
しまっち。
セレブ・カーナ、しぶとい。「暁の女王マイシェラ」はまだ読みやすかったけど、「薔薇の復讐」はなんだか読みにくかった。でもあんまり考えないで勢いで読むしかなく、それで面白いんだからよいのである。多元宇宙の複雑さはしょせんわからん。でも最後は見事にまとまっているのである。作者にはどんな風にその宇宙が見えているのか、そしてそれを表現しているのはほんとにすごいな~と思う。前進しかできない台車の上の村とかの世界観も驚いた。混沌の神アリオッホに屈しないエルリックの在り方もスカッとさせてくれる。
2017/10/27
とし
「暁の女王マイシェラ」と「薔薇の復讐」の長編2本を収録。多元宇宙の世界をさまようエルリックの奇妙で名状しがたい冒険譚。エルリックと彼が奉じる<混沌の神>アリオッホとの対話が面白かった。混沌の神に仕えながら魂までは隷属せず、困ったときには神を利用しつつ、平気で反<混沌>的な行動も取るエルリックがいかにも人間臭くていい。<黒の魔剣>ストームブリンガーの性質がエルリックという人間を象徴しているようで、この辺がムアコックの計算の素晴らしさなんだろう。
2016/03/28
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