ストームブリンガー (ハヤカワ文庫 SF ム 1-25 永遠の戦士エルリック 4)
ストームブリンガー (ハヤカワ文庫 SF ム 1-25 永遠の戦士エルリック 4) / 感想・レビュー
Akito Yoshiue
終盤の疾走感と吸引力がものすごい。絵になる場面が目白押しだった。野田昌宏は「SFは絵だ」と喝破したが、ムアコックを読むとファンタジーこそ絵だと思わされる。
2022/07/10
to_chan
これまでは短編中編だったシリーズが、最後の「ストームブリンガー」は長編サイズで《混沌》と《法》の最終決戦が描かれていて、盛り上がる。展開が唐突というか、戦いの手順も道理も、とにかくこうだってきまってるからこうなんだよ!みたいな。…うまく説明できないけど、そこがエルリックが奉仕する《運命》の虚しさと相まって気持ちよい。最高の中二病小説であった。次の巻、どうなってんのこれ。
2023/03/05
しまっち。
うわ~、やっぱりこんな救いのない結末。でも、これ以外ないのか・・・とも思う。最後は映画のエンディング のように、「完」の文字がどどーんと見えた。結局は課せられてしまった役割を全て引き受けて行動したエルリック。物悲しくも力強い。ちょっと一息ついてから続きを読む事にしよう。
2017/11/08
isfahan
面白かった。ひかわ玲子の解説ではないけれど中高生の頃に読んだらどれだけはまっていたんだろうという安定の面白さ。エルリックは昔の欧州系英雄物語の主人公のような不条理な悲劇性をお追いながら、これまでの英雄たちのように非人間的な存在ではなく「どうしてこうなるんだろう」という現代人のような苦しみとやるせなさを背負う存在。とにかく魅力的だ。井辻朱美の簡素さと雅やかさのバランスが取れた絶妙な訳文も素晴らしい。今はもう名文を読もうと思えば現代小説ではなく訳文を求めなければいけない時代なのかもと思える。
2013/03/02
スターライト
「魂の盗人」「闇の三王」「忘れられた夢の隊商」および表題の長篇を収録。<永遠の戦士エルリック>シリーズとしてはあと3巻あるようだが、エルリックを主人公とする物語はここで終わるようだ。宿敵セレブ・カーナとの決着もつき、表題作では<法>と<混沌>との争いが、エルリックとジャグリーン・ラーンをその操り人形として展開され、大団円を迎える。まさにこうでなければならない、という締めくくり方で終わっていて新世界の誕生を思わせるエンディングは、ムアコックが紡いだ黙示録であり創世記なのかも知れない。
2012/06/16
感想・レビューをもっと見る