スクレイリングの樹 (ハヤカワ文庫 SF ム 1-27 永遠の戦士エルリック 6)
スクレイリングの樹 (ハヤカワ文庫 SF ム 1-27 永遠の戦士エルリック 6) / 感想・レビュー
とし
エルリック・シリーズの後期三部作の2作目。前作はヒトラー時代のドイツだったが、今回は「エルリック北米へ行く」の巻。ネイティブアメリカンの世界なんだが、夢で繋がる多元宇宙に「時間」の観念は相対でしかなく、3人の主人公たちの「旅」はすごく幻想的で叙情的な雰囲気のなかで紡がれてゆく。「アリオッホ、アリオッホ」と邪神の名を叫んで暴れていた昔のヒロイックファンタジーの方が個人的には好きなんだが、エルリック自体がほぼゲスト扱いだし、今回はちょっと別物かなあ。
2017/02/28
しまっち。
ウーナ、エルリック、ウルリックそれぞれの視点から語られる物語。はじめのウーナの章がどうにも読みにくくてなかなか進まなかった。エルリックの関わりは千年の夢の一部、もうこうなったらいくらでも話はできちゃうのね。ホワイト・クロウの正体やら最後に一気に収束していくところは見事だと思う。
2017/12/06
スターライト
過去と現在と未来。生成と消滅。前巻でエルリックらによって葬られたと思われたゲイナーとクロスターハイムが、再び登場。第二次世界大戦後に時代を移し、愛する夫ウルリックを誘拐されたウーナが、彼の行方を捜すところからストーリーは始まる。そしてウーナ、エルリック、ウルリックの視点から出来事が語られ、後半になって一つになる。アメリカ先住民の世界が、夢幻の様相を帯びるあたりはムアコックの手際の良さか。読者はめくるめく豊饒なイメージに幻惑されながら、心地よく本を閉じることになる。至福の読書時間。
2012/07/04
saladin
後期3部作の第2作目。今回の舞台は北米大陸、ロングフェローが”ハイアワサ”と呼んだアメリカ原住民の英雄が生きた時代。が、前作と違って馴染みがないため、なかなか頭に入ってこない。確かに神話的な舞台は”スクレイリングの樹”(≒宇宙樹・世界樹)にマッチする気はするけれど…。本作ではエルリックはあまり活躍せず、ウーナ、ウルリックと共に3人の主人公のうちの1人という位置づけ。
2020/08/18
いちはじめ
とうとうアメリカン・ネイティブの神話まで取り込んでしまった。しかし、何をやってもマイクル・ムアコックはマイクル・ムアコック
2007/02/21
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