犬は勘定に入れません 下―あるいは、消えたヴィクトリア朝花瓶の謎 (ハヤカワ文庫 SF ウ 12-7)
犬は勘定に入れません 下―あるいは、消えたヴィクトリア朝花瓶の謎 (ハヤカワ文庫 SF ウ 12-7) / 感想・レビュー
ヴェネツィア
タイム・トラベルの行き先にビクトリア朝が選ばれたのは、おそらく著者のコニー・ウィリスにとって、それが最もイギリスらしい時代だったからだろう。それは作中でも度々言及されるコナン・ドイルが生きた時代でもあった。モチーフとなっている降霊術などはまさにこの時代、そしてドイルにも関わりが深い。さて、SFとミステリーとラブコメが一体となったという本書。読者の評判もいいようなのだが、私は楽しみ方がわからないままに終わってしまった。タイム・パラドックスが発想の基軸にありながら、逸れていく感が否めない。
2019/10/04
KAZOO
ユーモアミステリーをまじえたSFタイムトラベルもので最後はこれからまだまだ主人公が働かされそうな感じでつづきがあるようなかんじで終わっています。本当にミステリーが好きな作家でそのような趣味がある読者だと楽しくてしょうがないでしょう。エンターテイメントとしてはかなり楽しませてくれます。少しこの作家のものを渉猟してみようかと思いました。
2015/07/28
MICK KICHI
ドタバタ具合が心地良いSFミステリー&ラブコメの大傑作。オックスフォードの航時学部の学生二人が主人公。特に女性のヴァリティの魅力が素晴らしくて...、一方のネッド君が初めて見た時から心惹かれる感じ分かります(笑) 時間旅行がテーマであるので、パラドックスを防ごうと駆り出される彼女達の活躍が活き活きと語られ、古典文学やミステリーのオマージュがてんこ盛りの楽しさに溢れている。タイトルの意味もオマージュながら、じゃあ「猫」は?の素敵な展開が有ったりします。これは何回も読みたくなりますね。仕掛けが一杯...
2019/08/10
ゆかーん
タイムラグに次ぐタイムラグ…。読んでいる私自身も、どこにいるのか分からなくなるほどの時間旅行に、グルグルと眩暈に襲われました…。大聖堂の花瓶を盗んだ犯人を追いかけるはずが、話は犬と猫の飼い主の婚約話に…。ワンニャン同士仲が悪いのに、結婚を迫られていたテレンスとトシーでしたが、一人の人物との出会いにより、トシーは彼と駆け落ちしてしまったことに驚きました!時間軸の修正が続き、主人公の心と体は最後まで休まりませんでしたが、最後には仲間のヴェリティと結婚し、ハッピーエンドで終わりホッとしました!
2016/07/15
鱒子
レディ・シュラプネルそう来たか!なオチでした。なんだかよく分からないところも多かったので、また読み直してみようと思います。レディ・シュラプネルの登場は、映画「ジュラシックパーク」のラスト、Tレックスが現れて幕を閉じるシーンを思い出しました。
2017/06/09
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