瞬(まばた)きよりも速く〔新装版〕 (ハヤカワ文庫SF)
瞬(まばた)きよりも速く〔新装版〕 (ハヤカワ文庫SF) / 感想・レビュー
Apple
率直に言えば初回の読書では、半分くらいよく分かりませんでした。いくつかの短編は、少しアーティスティック過ぎるように感じて、頭に入ってこなかったです。しかし全体としては芸術点が高く寓話的で、優れた作品だと思いました。表題作「瞬きよりも速く」爽やかで素敵な「石蹴り遊び」後味の悪さが凄い「魔女の扉」男性の共感を呼びそうな「失われた街道」など。「ザハロフ/リヒタースケールV」が示唆する陰謀論めいた内容はインパクトがありました。作者によるあとがきが結構まとまった総括になっていて、本作品の方向性がよく分かりました。
2023/08/03
pulpo8
これは本当に良いなぁ~~!ブラッドベリ、もっと早くに読んでおけば良かった。21編所収。幻想味と温かみ、自然と郷愁、冴えてるジョーク時々ホラーが溶け合って「翻訳小説の醍醐味」を味わった気分。21編のどれもこれもが良いって凄い。「またこのざまだ」「フィネガン」「優雅な殺人者」良い!「瞬きよりも早く」「機械の中の幽霊」「バッグ」「レガートでもう一度」「交歓」「無料の土」「最後の秘跡」(メルヴィルが読みたくなった)「失われた街道」(これは本当に好み!)・・・・・・ここからは絞れない。返却するのが惜しい!買おう。
2014/08/25
shamrock
94年から96年に書かれた作品集。今までは初期から80年代の作品に親しんできたが、それらとは少々趣が違う感じがする。だがしかし、これは紛れも無くブラッドベリの作品であることも感じ取れる。恐怖ものから安堵感を感じるものまで、色々なタイプの作品が収められている。懐古的な雰囲気を感じるものが心に残ったかな。お気に入りは「またこのざまだ」「フィネガン」「バッグ」「芝生で泣いている女」「魔女の扉」「レガートでもう一度」「無料の土」あたり。「バッグ」なんかは、オレも四十を越えてなにやら感じ入るものがあるわけで・・・。
2014/10/31
まさ☆( ^ω^ )♬
今回の短編集は、今まで読んだブラッドベリ短編集の中でも一番好きかもしれません。読後感の優しい、ホンワカ作品が多かった印象です。「わすれじのサーシャ」「芝生で泣いてる女」「何事もなし、あるいは、何が犬を殺したのか」「機械の中の幽霊」「バッグ」「交歓」「最後の秘跡」「失われた街道」が特に良かった。
2022/02/10
ぶるっちゃ
1作目の「Uボート・ドクター」でいきなりふるいに掛けられるかと思ったけど、そこから先はどれも幻想的な雰囲気の漂う綺麗な作品ばかりだった。少し不思議だったり切なかったり、ちょっぴり怖かったり…不思議が不思議のまま終わる作品も多いけど、その後味が爽やかなのでいい満足感がありました。ただSF成分は少なめ、というかほぼ無し。
2016/10/13
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