SFマガジン700【海外篇】 (ハヤカワ文庫 SF エ 6-1)
SFマガジン700【海外篇】 (ハヤカワ文庫 SF エ 6-1) / 感想・レビュー
ざるこ
いつか読みたいと思ってた錚々たる顔ぶれ。クラークの壮大さ、シェクリィの皮肉っぷりと楽しく始まる。初読みマーティンは異星のとても幻想的な雰囲気が好き。ティプトリー・ジュニア「いっしょに生きよう」どこかの星の片隅で起こるヒトと知性体の奇跡が素晴らしい。イーガン「対称」は難解だけれど四等価次元空間に一歩踏み込んでしまった恐怖にゾッとする。ウィリス、バチガルピ作品もお気に入り。最近話題のテッド・チャン「息吹」脳科学から哲学的になり多次元や宇宙の起源へと昇華する流れが圧巻。他作品を読みたくなるものばかりの1冊。
2020/01/10
Panzer Leader
昔の作品も新訳のおかげか時代を感じさせない。「夜明けとともに霧は沈み」「いっしょに生きよう」「ポータルズ・ノンストップ」が自分の好みで、バリバリのハードSFでなく情緒が感じられる作品が自分には合っているんだなと思った。
2016/11/12
亮人
綺羅、星の如きSF作家のラインナップで表紙を見るだけでわくわくが止まりませんな!白眉を決められないくらい高水準で居並ぶ作品たちです。シェクリイはSFM創刊号で小松左京にSFの火を灯したという伝説的作品で、初めて読んだが現代を予見したかのよう。マーティンの霧の幻想も好き。ニーヴンはハードSFに見せかけたバカ話で良い。スターリングの明治ディファレンスエンジンも興味深い。ティプトリーの宇宙生態系、ルグィンの異星文化体系、も読み応え充分。バチガルピは相変わらずw。チャンのラストを締め方も記念アンソロの末尾に至適!
2014/06/11
ニミッツクラス
14年(平成26年)の税抜1060円の文庫初版。SFM創刊700号記念の翻訳アンソで、カバーは表裏背とも黒色とした。クラークからチャンまでの12作家の作品をジェネラルに揃えてある。シェクリイは死を賭したリアル鬼ごっこ。ニーヴンは火星を消滅させる運命に導いた遺恨物。ル・グインは読み難いよ。コニーは、ゼラズニイが編纂したJウィリアムスンへのトリビュートアンソの一作で、JWの作品を知っているとかなり面白い。バチガルピはデトックス用の“予備分娩”と言う発想がすごい。チャンはネタは普通だが上手く昇華。★★★★☆☆
2023/03/06
月世界旅行したい
気になった作品だけ感想。シェクリィ:本書の要的作品。スターリング:テーマの扱いがマーティンと対照的。近代化を書くという点でディファレンス~の雛型か?イーガン:未収録作品でこのレベルの作品があるのか、すげえ。チャン:短編集以降の作者のベスト。バチガルピ:いつも通りの内容だけど、これを今の時代に書くあたりがすごい。時代ごとに違うハードSF作家が3人いて見比べるのも楽しい。トップ3はシェクリィ、スターリング、チャン。「死の鳥」が載らない理由は前から発売がアナウンスされてるからだと思う。
2014/05/23
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