ブラックアウト(下) (ハヤカワ文庫SF)
ブラックアウト(下) (ハヤカワ文庫SF) / 感想・レビュー
もち
「いずれわかる。最後はなにもかもうまくいくから」◆降下点が開かない。防空壕の劇団、幼いパンデミック、命を分かつスクリューの海。激動の戦争体験を乗り越えつつ、3人はお互いの行方を探るべく、1940年の世界を彷徨う。誰もが、歴史からの隔絶に怯えながら。■複数の語り手が紡いでいく各章は、絶妙な場面で途切れ、次の山場へと雪崩れ込む。史学生3人の奮闘ぶりにも心を打たれたが、希望を捨てずに生きる当時の人々の姿も眩しい。分を尽くして命を花開かせる、名もなき英雄たち。その力強い台詞の数々は、真摯さを伴って響く。
2017/05/11
たいぱぱ
グッと面白くなってきたところで「続く」かよっ!続編『オールクリア』とひとつの物語でした。同じタイトルにしないのは『ブラックアウト』が『灯火管制』、『オールクリア』が『空襲警報解除』という意味だからか~。ということは丸く収まるってことだね(笑)。しかしタイムトラベルを大学生の歴史研究に使うってアイデアは面白いな。誰も思い付かないもん。
2017/10/07
chiseiok
いつものコニー・スタイルと思って上巻から我慢していた展開のじれったさやら人間関係の煩雑さ、あれもこれもきっと下巻ではパキッと気持ちよく…あれ…でもあんまし来ないなー…と思って読み進んでたら、そのまま『オール・クリア1』につづく…って、お、ぉお~い!wでも文庫六分冊(多分)のこの超大河ドラマ全体で云ったら、まだまだ序盤なんですもんねー…941ページあるけどw。こんなに読んでて消耗したのに続巻文庫に降りて来たらまた喜んで読んじゃうのかな。果たして『オール・クリア2』読了の感想を書く日は来るのか?自分w。
2015/09/06
Small World
淡々としていても面白いコニー・ウィリスですが、同じ「オックスフォード大学」シリーズでも、『犬は勘定に入れません』よりも『ドゥームズデイ・ブック』に近い怖さが潜むストーリーです。仕事が片付かずスローペースの読書になっているのが残念ですが、やっぱり読んでいて楽しいです。オックスフォードとは途絶したままなのは不安ですが、主要人物たちが出会えてよかった.....。って、あれ?『ブラックアウト』としてのまとまりがあるわけではなく、本当に普通に物語の途中w 急いで『オールクリア』に進みます!
2020/08/05
メセニ
下巻に入り物語は一気に動き始める。調査のため第二次大戦下のイギリスにタイムスリップしていた三人の史学生は、それぞれにトラブルに見舞われ始める。自分たちの知る由ない悲運な出来事の連続に高まる緊張感。若干の湿り気を帯びながらどんどん捲られていく頁。詳しくは書けないけどめちゃくちゃ良い所で本書は終わってしまう。というか完結せーへんのかーい!さて、続編の『オールクリア』が手元にあるかと言えばそんなわけもなく、今日立ち寄った書店にも見当たらず…。というわけで暫しのおあずけ。ひとまず現実への帰還である。
2018/06/19
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