十月の旅人 (ハヤカワ文庫SF)
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十月の旅人 (ハヤカワ文庫SF) / 感想・レビュー
ちなぽむ and ぽむの助 @ 休止中
【図書館本】初めましてのレイ・ブラッドベリ。初期作品が多いからか荒削りな印象を受けるものも多い。「十月のゲーム」や「昼さがりの死」のぞわぞわ人の嫌な部分と不穏な結末の予感。「永遠と地球」の最期の情熱。一番好みなのは、白人の支配が終わった後の世界を描く「すると岩が叫んだ」。この不穏で独特な雰囲気はなんとなく先日読んだ夢野久作を思い出させられた。想像していたよりSF要素が強く、SF初心者な私には少し難しかったかな。このまま続けてたそがれの国に行きます。
2018/10/20
ケイ
短編10こ。既読も幾つか。『十月のゲーム』10月最後の日、ハロウィンでするゲーム。真っ暗闇の中、手渡ししてるものは何だろう。電気はつけちゃダメ。魔法が消えてしまうから 『休日』こんな花火は1度きり。盛大に爆発して光ってね。その後は、僕らにはもう帰るところがない。手渡したtorchlight。知識の光。それが跳ね返ってきた... 『永遠と地球』トム・ウルフの墓に夜毎に降る花束が闇夜に光る 『過ぎ去りし日々』夜中、かつての少年は風の中にかすかに子供の声を聞く。かつての自分の遊び回る声を聴く。
2018/10/25
おたけஐ೨💕🥒🍅レビューはボチボチと…
83/100点 レイ・ブラッドベリの初期の作品から選ばれた10話の短編集。昔『華氏451度』と何篇かの短編は読んだ記憶があるのですが、それ以来のレイ・ブラッドベリでした。秋に読む課題本として題名に惹かれて手に取った一冊で、何とか10月に読み終えることが出来ました。70年以上も前の作品もあり古さを感じてしまうところもありましたが、内容はSF・幻想的な物語・サスペンスとバラエティーに富んでいて結構面白く読むことが出来、中では「永遠と地球」・「休日」・「過ぎ去りし日々」・「すると岩が叫んだ」が印象に残りました。
2018/10/31
MICK KICHI
初期短編集。他の短編集収録作品もあり。バラエティに富んだ作風の中にも、唸らせる展開にブラッドベリらしさを随所に感じる。表題作の残酷さと無邪気と暗闇の効果。「永遠と地球」の作家トム・ウルフとSF設定。「対象」の記号論的面白さ。「ドゥーダッド」のオチを予想しながらも発想で引っ張る展開。名作「そして岩が叫んだ」の絶体絶命の逆境におかれた人間の尊厳。それぞれのテーマの粒が立った作品集だと思う。「永遠と地球」がイチオシ。
2019/10/06
rico
夏の残滓が漂う9月では早い。怖いぐらいの夕焼けの後闇が世界をひたひたと満たしていく、そんな10月の終わりには、やはりブラッドベリを読みたくなる。冒頭の「10月のゲーム」はハロウィンの夜の出来事。のっけから恐怖にたたきこまれる。もう一つの「火星年代記」ともいえる「休日」。存在を存在たらしめるものへ迫る「対象」と「ドゥーダット」など10編。初期作品だからか、翻訳者の違いか、怪しい中に哀しみを湛えたブラッドベリらしい空気感はやや薄め。それでもやはり魅せられる。「永遠と地球」でトムウルフが紡ぐ宇宙の物語が美しい。
2019/10/26
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