2000年代海外SF傑作選 (ハヤカワ文庫 SF エ 7-1)
2000年代海外SF傑作選 (ハヤカワ文庫 SF エ 7-1) / 感想・レビュー
Shun
「三体」著者の劉慈欣以外は全て初めて読む作家でした。いつか読む予定だったグレッグ・イーガンは本作収蔵の短編「暗黒整数」で初読となり、数学定理の証明とSFスリラーを掛け合わせたような物語は予想通り難解な内容。そして目当ての作品はアレステア・レナルズ著「ジーマ・ブルー」。本作は今年の第52回星雲賞の海外短編部門に選ばれ、ちなみに海外長編部門は劉慈欣著「三体Ⅱ 黒暗森林」。「ジーマ・ブルー」は独自の青い色彩を追求した芸術家の物語。謎多き芸術家の出自に秘密があり、芸術的儚さとSF的虚無感の余韻が漂う作品でした。
2021/08/11
ひさか
2020年11月ハヤカワSF文庫刊。90年代海外SF傑作選から18年ぶりの刊行とか。そういえば、ゼロ年代の海外SFアンソロジーは、初読みかと。ダントツでグレッグ・イーガン:暗黒整数が良い。ハンヌ・ライアニエミ:懐かしき主人の声も面白い。姉妹編の2010年代も楽しみです。
2021/01/26
シタン
2010年代海外SF傑作選よりも玄人受けしそうな印象がした。第三次AIブームの影響をギリギリ回避している古き良き時代を味わえる。わずか6ページの「ミセス・ゼノンのパラドクス」の妙技に続く二作品はかなり深遠な内容でびっくりした。『三体』作者による「地火」は暗く重い異色作。「シスアドが世界を支配する時」は笑った。シスアド経験者には特におすすめ。「コールダー・ウォー」にはワンダフルライフのグールド教授が登場。「暗黒整数」が最高だった。dark integer型。最後のジーマ・ブルーは記憶に関する考察が印象的。
2020/12/27
かとめくん
アンソロジー好きにはたまらない1冊じゃないかな。特に遅読の自分は海外SFはまだ20世紀のものを中心に読んでいたのでこの本の斬新さは衝撃でした。設定といい、ガジェットといい、面白かった。もう少し本を読むスピードが上がらないものかなあ、自分。
2022/04/14
ふりや
橋本輝幸さん編纂によるアンソロジー。グレッグ・イーガンや『三体』でお馴染みの劉慈欣、他にも「名前は知ってるけど読んでなかった!」というラインナップで自分的にはかなりお得でした。「傑作選」と銘打たれているだけあって個々の作品のクオリティは文句なし!特に印象に残ったのは、捕らえられた主人のために犬と猫が大冒険をするハンヌ・ライアニエミ『懐かしき主人の声』やっぱり難しいけど数学バトルがめちゃくちゃカッコいいグレッグ・イーガン『暗黒整数』ある芸術家の驚くべき来歴を描くアレステア・レナルズ『ジーマ・ブルー』など。
2020/11/20
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