幻魔の虜囚 (ハヤカワ文庫 FT)
幻魔の虜囚 (ハヤカワ文庫 FT) / 感想・レビュー
katka
密度の高い一篇です。リー作品に一貫する魔術の使い方……「目的意識」「意思と意図」といった要点は本作では率直に表されていて、ファンなら一読しておくと後で腑に落ちる。物語は暴風のように走りきるため、一応主人公のシャイナについて触れれば、リーの少女主人公らしく意思が強い……というより、恋の一途で死線を踏破する、戦闘的な女の子になっています。恋しても濃厚な官能美を味わう暇がないかわり、猫の気持ちがわかったりします。原題が『ヴォルクハヴァール』であるように、陰惨な過去を負うヴォルクも猫好きです。
2023/08/26
感想・レビューをもっと見る